U556 (潜水艦)

U-556：悲運のUボート、ビスマルクとの絆

U-556は、第二次世界大戦中にドイツ海軍が運用したVIIC型潜水艦です。1941年2月に就役し、わずか数ヶ月の活動期間中に2回の哨戒出撃を行いました。その短い生涯の中で、U-556は連合軍にとって脅威となる存在でしたが、最終的には北大西洋の深海に沈むこととなりました。

艦歴：短いながらも戦果を挙げた航海

U-556は、最初の哨戒出撃で大西洋に進出し、6隻、総計29,552トンの連合軍艦船を撃沈するという戦果を挙げました。しかし、1941年6月19日に開始された2回目の哨戒作戦は、悲劇的な結末を迎えます。U-556はアイスランド南西沖の北大西洋でイギリス海軍の攻撃を受け、1941年6月27日に沈没しました。この攻撃により、乗組員の多くが命を落としました。

ビスマルクとの関係：軍楽隊の貸し借りが生んだ友情

U-556と戦艦ビスマルクは、ハンブルクのブローム・ウント・フォス造船所の近隣ドックで同時期に建造されました。1941年1月、U-556の就役式典を前に、艦長ヘルベルト・ヴォールファールトは祝賀演奏のために軍楽隊を希望しましたが、当時は軍楽隊を運用する余裕がありませんでした。そこで、ビスマルク艦長エルンスト・リンデマンがヴォールファールトに自身の軍楽隊を貸与しました。ヴォールファールトはこれに深く感謝し、U-556がビスマルクを護衛することを約束する証明書を作成しました。

しかし、U-556はビスマルクを護衛する機会を得られませんでした。U-556は別の任務に就いており、ビスマルクの出撃に同行できなかったのです。その結果、ビスマルクは1941年5月27日にイギリス海軍の攻撃を受け、北大西洋に沈没しました。ヴォールファールト艦長は、ビスマルクを護衛するという約束を果たせなかったことを深く悔やんだと言われています。

まとめ：戦争の悲劇とUボートの運命

U-556は、短い期間ながらも連合軍に打撃を与えたUボートでしたが、最終的には敵の攻撃によって沈没し、多くの乗組員が命を落としました。ビスマルクとの間に生まれた友情のエピソードは、戦時下の人々の繋がりを示す貴重な記録と言えるでしょう。U-556の生涯は、第二次世界大戦におけるUボートの活躍と、それに伴う悲劇を象徴する出来事として、歴史に刻まれています。

関連項目

ドイツ海軍
潜水艦
* Uボート

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