UA職

UA職の概要と運用事例

UA職（University Administrator）は、大学や研究機関で特定の業務を専門に扱う職種を指します。一般的な事務職とは異なり、高度な専門知識やスキルを必要とするこの職種の一例として、URA（University Research Administrator）があります。この職種は研究分野での業務をサポートし、大学の研究活動を推進する役割を担っています。

UA職の特徴

大学や研究機関では、教員や事務職員、技術職員、医療従事者など、多様な職員が従事しています。教員には教授、准教授、講師、助教などの役職があり、事務職員は主任、係長、副課長、課長、次長、部長、局長といった職位が存在します。一般企業と同様の役割がある中で、特定の分野に特化したUA職が増えてきています。

このようなUA職は、各大学が独自に定義しており、法規則に明記されているわけではありません。そのため、大学によって役割や位置づけが異なることがありますが、共通して求められるのは「高度な専門性」です。これにより大学は、研究や入試、広報などの各分野で専門的なサポートを受けることが可能になります。

運用事例

岡山大学

岡山大学は、UA職の運用において先駆的な存在です。2012年にURAを導入し、それ以降の10年間で様々な専門職を整備しました。この大学は、教員と事務職員以外の「第3の職種」としてのURAを国内で初めて整備した実績があります。この成功を受け、教育部門のUEA（University Education Administrator）、入試部門のUAA（University Admissions Administrator）、国際部門のUGA（University Global Administrator）、広報部門のUPR（University Public Relations Administrator）など、多岐にわたる職種を設けました。

また、岡山大学では博士号を取得した人材が積極的に採用されており、彼らのキャリア形成に対応した職位も用意されています。UA職は、副学長や副理事など大学経営に直結する役職にも就くことができるため、専門職としての成長の場が整っています。これは、日本の他の大学ではあまり見られない制度的な利点となっています。

新潟大学

新潟大学では、2023年4月にUA室を設置し、経営戦略本部の中でURAなどの専門職を配置しています。このUA室の目的は、エキスパート人材の育成と組織化を進め、今後10倍の規模への増員を目指すことです。事務職員の10%をUA職に従事させるという計画は、内閣府の大学支援フォーラムに採択された実証事業を通じて推進されるもので、大学経営における専門家の重要性がより一層高まることを示しています。

結論

UA職は、教育や研究の推進において欠かせない高度な専門職です。その役割は大学の運営や研究活動に深く関わっており、近年多くの大学で職種の整備や専門性の向上が図られています。国内の大学での取り組みや実績を見れば、大学経営の成功には、UA職の重要性がますます大きくなることが予想されます。

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