UFC 14

UFC 14: Showdown 大会詳報

1997年7月27日、アメリカ合衆国アラバマ州バーミングハムのバウトウェル記念オーディトリアムにて開催されたUFC 14: Showdownは、UFCの歴史に大きな足跡を残した大会となりました。この大会では、ヘビー級タイトルマッチ、ミドル級とヘビー級のトーナメント、そしてルール改正と、数々の重要な出来事が発生しました。

大会を彩った衝撃と変革

メインイベントを飾ったのは、UFC世界ヘビー級タイトルマッチ。王者マーク・コールマンに挑戦したのは、なんとUFC初出場選手であるモーリス・スミスでした。この試合でスミスは見事コールマンを下し、第2代UFC世界ヘビー級王者に輝いたのです。このアップセットは、UFCの歴史において、大きな衝撃を与えました。

さらに、ヘビー級とミドル級のトーナメントも大会を盛り上げました。ヘビー級トーナメントでは、初出場ながらマーク・ケアーが優勝。一方ミドル級トーナメントでは、バルセロナオリンピック・レスリング金メダリストであるケビン・ジャクソンがその実力を遺憾なく発揮し、優勝を手にしました。ケアーとスミスのUFC初出場での活躍は、この大会を記憶に残るものにしました。

UFC 14では、ルールも改正されました。それまで選手は素手での出場、もしくはオープンフィンガーグローブの着用を選択できましたが、この大会より4～6オンスのオープンフィンガーグローブの着用が義務化されました。この変更は、選手の安全性を考慮した重要なステップでした。なお、UFCで最初にオープンフィンガーグローブを着用した選手は、UFC 4でのメルトン・ボーウェンであるとされています。また、それまでライト級と呼ばれていた階級は、ミドル級に名称変更されました。

緊迫のトーナメント戦と白熱のタイトルマッチ

ミドル級、ヘビー級それぞれのトーナメントは、多くのドラマを生み出しました。1回戦、準決勝と進むにつれて、選手たちの技量、そして精神力が試されました。ケビン・ジャクソンは、卓越したレスリング技術と、総合格闘技への適応力を見せつけました。一方、マーク・ケアーは、強靭な打撃と闘志で対戦相手を圧倒していきました。

トーナメント決勝戦、そしてタイトルマッチは、大会のクライマックスでした。ジャクソンは、決勝でトニー・フリックランドをチョークスリーパーで下しミドル級トーナメントを制覇。ケアーは、ダン・ボビッシュを相手に勝利し、ヘビー級トーナメントの栄冠を手にしました。そして、メインイベントのタイトルマッチ。スミスはコールマンと激闘を繰り広げ、延長戦の末に判定勝ちを収め、王座を奪取しました。

試合結果詳細

以下に、UFC 14の試合結果を詳細にまとめます。

リザーブマッチ

第1試合（ミドル級）：トニー・フリックランド ○ vs × ドニー・チャペル（1R 1:31 チョーク）
第2試合（ヘビー級）：アレックス・ハンター ○ vs × サム・フルトン（1R 2:22 TKO）

トーナメント1回戦

第3試合（ミドル級）：ジョー・モレイラ ○ vs × ユーリ・ヴァウリン（1R終了 判定3-0、モレイラの負傷棄権によりフリックランドが決勝進出）
第4試合（ミドル級）：ケビン・ジャクソン ○ vs × トッド・バトラー（1R 1:27 ギブアップ）
第5試合（ヘビー級）：マーク・ケアー ○ vs × モティ・ホーレンスタイン（1R 2:22 TKO）
第6試合（ヘビー級）：ダン・ボビッシュ ○ vs × ブライアン・ジョンストン（1R 2:10 TKO）

トーナメント決勝戦・タイトルマッチ

第7試合（ミドル級）：ケビン・ジャクソン ○ vs × トニー・フリックランド（1R 0:44 チョークスリーパー）
第8試合（ヘビー級）：マーク・ケアー ○ vs × ダン・ボビッシュ（1R 1:38 ギブアップ）
* 第9試合（ヘビー級タイトルマッチ）：モーリス・スミス ○ vs × マーク・コールマン（延長R終了 判定3-0）

UFC 14は、新たな王者誕生、ルール改正、そして多くのドラマを生んだ大会として、UFCの歴史に刻まれています。

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