UL (安全機関)

UL（アンダーライターズ・ラボラトリーズ）

UL LLC（アンダーライターズ・ラボラトリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー）は、アメリカ合衆国イリノイ州ノースブルックに本社を置く認証企業です。日本語では「アメリカ保険業者安全試験所」とも表記されるこの企業は、試験、検査、認証を行い、世界的には約10位の規模を誇ります。ULは、材料や部品、装置に至るまで、最終製品の機能性や安全性について規格基準を設け、評価方法を策定し、実際の試験を行っています。試験に合格した場合、製品にULマークを付与することができます。

設立の歴史

ULの歴史は、1893年のシカゴ万国博覧会にさかのぼります。この場で、トーマス・エジソンが発明した電球が一般に広く使用されることになり、当時の火災保険会社が電気技師ウィリアム・ヘンリー・メリルを派遣しました。彼は1894年に『火災保険業者電気局』を設立し、家庭や業務での電気製品の普及を背景に、事故を防ぐための試験項目や手法の策定に取り組みました。この取り組みが受け継がれて、ULはアメリカ国内外の安全規格を策定する機関として発展を続け、特に火災防止や防災対策関連製品に重点を置いています。

ULの活動対象

ULは、設立当初は電気機器を中心に活動を開始しましたが、現在では産業機器や自動車部品、さらには化学物質の安全性の評価へと範囲を広げています。その中でも特に「安全」が重要視されており、火災防止や事故防止、セキュリティに関連する製品に重点を置かれています。

UL認証のプロセス

UL認証は、製品の申請をもとに行われます。申請者は製造者の情報と共に試験対象製品のサンプルを提出し、ULがその評価を実施します。また、ULから認証を取得した試験機関は、ULの代理として試験を実施することも可能です。認証を受けた製品には、ULマークが付けられ、その安全性が証明されます。カナダ向けにはcULマークが用意されており、両国の基準を満たした場合にはcULusマークが付与されます。

ULリストと認証内容

ULが承認した製品の情報はULリストに載せられます。製品の認証には、「リスティング」、「レコグナイズド・コンポーネント」、「クラシフィケーション」があり、それぞれ異なる条件や性質に基づいて評価されます。例えば、UL 62はフレキシブルコード、UL 94は耐燃性、UL 1642はリチウム電池の評価規格です。また、ULはその試験結果や認証の履歴を管理しており、消費者や製造業者に対して透明性を提供しています。

まとめ

ULは長い歴史と信頼性を兼ね備え、製品の安全性と性能を保証する重要な役割を果たしています。その認証を受けた製品は、消費者や業者にとって、一つの安全基準を示す指標となっています。世界中でULの認証を必要とする企業が多数存在し、ULは現在、40か国以上で展開を行っています。

もう一度検索