USAペルピニャン

ユニオン・スポルティヴ・アルルカン・ペルピニャネ（Union Sportive Arlequins Perpignanais）は、フランスのカタルーニャ地方、ペルピニャン市に拠点を置くプロラグビーユニオンクラブです。通称はUSAペルピニャンとして広く知られています。国内最高峰リーグであるトップ14に所属し、数々のタイトルを獲得してきた伝統あるクラブです。

クラブの象徴であるチームカラーは、この地域で用いられる旗、サニェーラに由来する鮮やかな黄色と赤です。

クラブの軌跡

USAペルピニャンの歴史は1902年、ASペルピニャンという名称で幕を開けました。創設から間もない1914年には、初めてフランス選手権の決勝へと駒を進め、見事初優勝を飾ります。しかし、この栄光を手にした直後、第一次世界大戦の勃発により、優勝メンバーから複数の犠牲者を出すという悲劇に見舞われました。

戦後の1919年にはクラブ名をUSペルピニャンへと変更。1921年には宿敵となるスタッド・トゥールーザンを破り、二度目の国内王座を獲得しました。1924年から1926年にかけては、3年連続で決勝進出という快挙を成し遂げます。このうち、1924年と1926年には再びスタッド・トゥールーザンに決勝で敗れ涙を飲みましたが、1925年にはASカルカソンヌを下して優勝を果たしました。

1933年、クラブ名は現在のユニオン・スポルティヴ・アルルカン・ペルピニャネ、すなわちUSAペルピニャンへと改称されました。1930年代にはフランス選手権決勝に3度進出し、いずれもビアリッツ・オランピックとの熱戦を繰り広げました。結果は1935年と1939年に敗れたものの、1938年には勝利を収めています。第二次世界大戦による活動中断を経て、1955年までにはさらに3回の決勝進出を果たし、そのうち2回で優勝を飾るなど、黄金期を築きました。しかし、その後しばらくはかつての勢いを失い、低迷期を迎えます。

1970年代後半から1990年代にかけても、1977年のASベジエ・エロー戦、1998年のスタッド・フランセ戦と、決勝の舞台に立ちながらも惜しくも敗れる悔しい経験が続きました。

それでも、粘り強く力をつけてきたペルピニャンは、2000年代に入ると再び強豪としての地位を確立し始めます。2002-03シーズンには欧州クラブ最高峰の大会であるハイネケンカップで準優勝、翌2003-04シーズンには国内リーグ（当時の名称はトップ16）でも決勝に進出する活躍を見せました。2008年にはニュージーランド代表のスーパースター、ダン・カーターが加入（怪我の影響もあり期待された活躍は叶いませんでしたが）、チームは勢いを加速させます。そして、2008-09シーズン、ついにASMクレルモン・オーヴェルニュを破り、1955年以来となる54年ぶりの国内リーグ優勝という長年の悲願を達成しました。

近年のクラブは昇降格を繰り返す波乱の時期を経験しています。2013-14シーズンにトップ14からプロD2（2部リーグ）へ降格。しかし、2017-18シーズンにはプロD2で優勝し、僅か4シーズンでトップ14への復帰を果たしました。残念ながら翌2018-19シーズンは再びトップ14で最下位となりプロD2へ降格。それでも諦めず、2020-21シーズンには再びプロD2を制覇し、トップ14への返り咲きを決めるなど、力強い戦いぶりを見せています。

獲得タイトル

USAペルピニャンは、その長い歴史の中で数多くの栄冠を手にしてきました。

国内タイトル
フランス選手権（現トップ14）
優勝：7回 (1914, 1921, 1925, 1938, 1944, 1955, 2009)
準優勝：9回 (1924, 1926, 1935, 1939, 1952, 1977, 1998, 2004, 2010)
フランス選手権（2部）（現プロD2）
優勝：2回 (2018, 2021)

国際タイトル
ハイネケンカップ
* 準優勝：1回 (2003)

著名な歴代所属選手

USAペルピニャンには、国内外の多くのスター選手が在籍してきました。主な選手には、ニュージーランド代表のスコット・ロバートソンやダン・カーター、フランス代表のニコラ・マスやセバスチャン・ヴァアマイナ、ギエム・ギラド（現モンペリエ）、カミーユ・ロペス（現クレルモン）、ソフィアン・ギトゥーヌ（現トゥールーズ）、メルヴィン・ジャミネット（現ラシン92）、バスティアン・シャルロー（現モンペリエ）、ウェールズ代表のジェームズ・フックやルーク・チャータリス、イタリア代表のトンマーゾ・ベンヴェヌーティ（現ベネットン）、トンマーゾ・アラン（現ベネットン）らが名を連ねています。

現在もトップ14を舞台に戦い続けているUSAペルピニャンは、カタルーニャ地方のラグビーを象徴する存在として、熱狂的なファンの声援を受けています。

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