UTC+8

UTC+8：協定世界時から8時間進んだ標準時

UTC+8は、協定世界時（UTC）から8時間先の標準時を指し、世界の約24％にあたる約17億人がこの時間帯で生活しています。この時間帯は特に中華圏全域やマレー諸島の多くの地域で採用されており、中国語やマレー語が公用語となっている国々で広く使われています。シンガポールなどはこのタイムゾーンに完全に依存しています。

主な該当地域

UTC+8を使用する地域には以下が含まれます：

この標準時は、経済活動や国際的な交流において非常に重要な役割を果たしています。

地理的特徴

中華人民共和国は広大な領域を有し、全土が単一のタイムゾーンであるという特異な特徴があります。このため、同国の東端では太陽が南中するのが11時であるのに対し、西端では15時になるなど、時間の進行に大きな差が生じます。また、UTC+4:30のアフガニスタンとの間には3時間30分の時差があります。

歴史的背景

日本の歴史においてもUTC+8に類似した時間帯が存在していました。1896年から1937年まで、八重山列島や宮古列島、そして日本統治下の台湾では「西部標準時」としてUTC+8が使用されていましたが、その後日本全体がUTC+9に統一されました。中華民国が成立してからは、UTC+8は「中原標準時」として定義され、台湾もこの時間帯を引き続き採用しています。

また、1949年に中華人民共和国が成立するまでは、香港とマカオはそれぞれイギリスとポルトガルの統治を受けていましたが、その地理的な条件からUTC+8を使用。その後、1986年から1991年にかけての間に中華人民共和国も単一の時間帯を設定しました。特に香港は、日本占領下の1941年に UTC+9 に移行しましたが、暫定的にこれを採用していました。

夏時間の適用

UTC+8地域では、1986年から1991年の間、中華人民共和国で夏時間が採用されました。他にも、香港とマカオでも夏時間の実施がありました。特にマレーシアの東部では、1963年のマレーシア成立以降、引き続きこの標準時を使用し続けています。シンガポールも1982年にUTC+7:30からUTC+8に移行しました。

ロシアではかつてUTC+8を用いた時間帯がありましたが、2011年以降の時間変更により、一部地域では今も一部季節でUTC+8が使用されています。また、モンゴルでは2001年から2006年および2015年から2016年にかけて夏時間が実施されましたが、現在は廃止されています。