UTC+9

UTC+9: 日本や韓国などに広がる標準時

UTC+9は協定世界時（UTC）よりも9時間早い標準時で、日本や韓国をはじめ多くの地域で採用されています。世界の時間制度の中での重要な位置づけを持つこの標準時は、一体どのようにして形成されてきたのか、またその影響を受けている地域について詳しく見ていきましょう。

該当地域とその変遷

UTC+9を採用している地域は、日本や韓国をはじめ、モンゴル、マレーシア、シンガポールなどがあります。また、北朝鮮も2018年以降にこの標準時を再採用しています。

日本における歴史

日本では1888年にグリニッジ標準時に基づくUTC+9が正式に導入されました。1896年からは中央標準時として使われ、先島諸島や台湾では西部標準時（UTC+8）が用いられましたが、1937年には全国的に中央標準時に統一されました。さらに、1948年から1951年までは夏時間（UTC+10）が適用されたため、冬期の標準時はUTC+9となります。

韓国の変遷

大韓帝国では1908年からUTC+8:30が適用されていましたが、1912年にUTC+9に変更されました。しかし、夏時間が導入されたために、冬期のみUTC+9が使用されています。1954年には再びUTC+8:30に変更されましたが、1961年には通年でUTC+9に戻されました。1987年から1988年のソウルオリンピックでは、夏時間によりUU+10が適用されました。

他の地域の歴史

中華民国や香港、マカオでも夏時間制度が導入されていました。中華人民共和国では1986年から1991年まで北京夏時間としてUTC+9が全国的に使用されていましたが、1992年以降はこの制度は廃止されています。オーストラリアの西オーストラリア州では2006年から2009年までの間に夏時間を試行しましたが、その後の国民投票で夏時間制は否決されました。

ロシアではかつてUTC+9をヤクーツク時間に用いていましたが、2011年に時間変更が行われ、最終的には通年で再びUTC+9が適用されるようになりました。モンゴルも一時期夏時間を採用していましたが、2007年以降は廃止されています。

北朝鮮の時刻制度

北朝鮮では2015年までUTC+9が適用されていましたが、その後30分遅らせたUTC+8:30に変更しました。しかし、2018年に南北首脳会談を経て再度UTC+9を採用することが決まりました。

まとめ

UTC+9は日本や韓国など多くの地域で利用されており、その歴史は多くの国の時間制度に影響を与えてきました。この標準時の採用は、地域の文化や歴史を反映させたものであり、今後も注視されるべきテーマです。

もう一度検索