UZI (SMG)

ウージー (UZI)

ウージー（英：UZI、ヘブライ語：עוזי‎）は、イスラエルのIMI（現IWI）社が製造した短機関銃であり、1951年の開発以来、世界中で広く使用されている兵器です。この銃は、特に戦後の初期における短機関銃の代表的な存在であり、その耐久性と操作性の高さから、多くの軍や警察組織に採用されています。

背景と開発

第二次世界大戦後、イスラエルはアラブ諸国との緊張が高まる中、国内のキブツ（共同農場）を防衛するための効率的な兵器を必要としていました。イスラエルの工業基盤が未発達だったため、高い技術力を必要とする武器の製造は難しく、比較的簡単に生産できる短機関銃の開発が決定されました。設計を担当したウジエル・ガルは、目標達成のためにチェコスロバキア製のZK476を参考にし、シンプルで生産しやすい設計に仕上げました。

ウージーは、部品点数を抑え、プレス加工を多用することで、イスラエルでも大量生産が可能な形で開発されました。その結果、生産効率が高く、操作性に優れた銃が完成し、1956年の第二次中東戦争ではイスラエル国防軍に配備され、高い評価を受けました。

機能と特徴

ウージーの発射機構にはオープンボルト方式が採用されており、砂や泥に強く、信頼性が非常に高いのが特徴です。また、全体的にシンプルな構造であるため、メンテナンスや修理も容易です。クローズドボルトバージョンも存在し、精度向上が図られています。

この銃は重量約3,800gで、コンパクトな全長は47cmです。また、セレクタースイッチを操作することで、フルオートとセミオートの切り替えが可能で、安全装置も複数搭載されています。折りたたみ式ストックも装備されており、特殊部隊やパイロットにも使いやすいデザインとなっています。

世界的な普及

ウージーは、旧西側諸国でも高く評価され、多くの国でライセンス生産が行われました。例えば、ドイツ連邦軍では改良型のMP2が採用され、アメリカではシークレットサービスが用いるなど、さまざまな国の軍隊や法執行機関で使用されています。また、多くの国でコピーやバリエーションも存在し、例えば中国製の85式やクロアチアのEROなどがあります。総じて、ウージーは90ヶ国以上に輸出され、約1,000万丁以上が製造されたとされています。

現在の状況

現在、ウージーはH&K MP5などの新しい製品によってほぼすべての軍や警察で取って代わられましたが、依然としてその性能と信頼性の高さから、世界中の多くの中小国や特殊部隊で運用が続いています。長い歴史を持つウージーは、今なお短機関銃の代表的な存在として知られています。

派生型

ウージーにはさまざまな派生型が存在しており、Mini UZIやMicro UZIなどは特に人気があります。これらは携行性を重視した設計であり、フルオート時の発射速度も異なるため、使用目的に応じた選択が可能です。また、UZIピストルやUZIプロといった拳銃型も展開され、各種役割に応じたモデルが用意されています。

まとめ

ウージーは、そのシンプルな設計と信頼性の高さから、長い間多くの国や部隊に愛用されています。武器としての性能だけでなく、歴史的な背景や国際的な影響力も持つこの銃は、今後もその価値を保ち続けることでしょう。

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