Umbrella (清水翔太のアルバム)

清水翔太 1st アルバム『Umbrella』解説

『Umbrella』は、日本のR&Bシンガーソングライター清水翔太が2008年11月26日にリリースした初のオリジナルアルバムです。10代の自己表現と楽曲のリアリティを追求するという2つのテーマを掲げ、制作されました。

制作背景と特徴

清水翔太は、このアルバムで様々な愛の形を表現することを目指し、収録曲の多くはラブソングで構成されています。作曲は清水自身が全曲を手掛け、プロデューサーには、加藤ミリヤ、Crystal Kay作品などを手掛ける3rd Productions、CHEMISTRY作品で知られる塩川満己、STY、YANAGIMANらを起用。R&B、ソウル、ヒップホップ、ジャズ、ファンクなど、多様なジャンルからの影響を色濃く反映させた作品となっています。

アルバム制作にあたり、清水はデモを含め100曲以上を制作。その中からアルバムのコンセプトに合う楽曲を選びスタジオレコーディングを行いました。制作期間はわずか2ヶ月と短期間でありながらも、収録曲全てをシングルカットできるクオリティに仕上げることを目標に制作されたそうです。

楽曲について

アルバムには、13歳から19歳までに制作された楽曲が収録されており、ライブチューンである「Diggin' On U」はライブに来てくれるファンへの感謝の気持ちが込められています。また、13歳時に制作された「My Love」は、当時トラックが作れなかったため、歌詞とメロディだけをテープに録音していたというエピソードも。アンプラグドで録音され、エクストリームの「More Than Words」風の編曲が施されています。その他、「HOME」「「アイシテル」」などのヒットシングルも収録されています。

アルバム構成とテーマ

アルバムは全13曲で構成され、日本盤にはボーナストラックとして「HOME」のHIPHOP REMIXが収録されています。清水は、デビューアルバムから多くの曲を収録するよりも、1曲1曲を大切にし、聴く人の心に深く染み込むような作品にすることを重視したと語っています。アルバムには特定のテーマやコンセプトは設けられていませんが、10代で得たものを全て詰め込み、書きたいことや表現したいことが「リアルであること」を制約に制作されています。

音楽性と歌詞

R&B、ソウル、ヒップホップ、ジャズ、ファンクなど、清水がこれまでの人生で聴いてきた音楽からの影響が色濃く反映されています。歌詞については、「愛からくる何かを守ろうとする気持ち」を大切にしたと語っており、収録曲の多くが愛や失恋をテーマにしたラブソングで構成されています。歌詞には汚い表現は一切なく、「UNHAPPY」な状況でも「LOVE」な言葉で溢れていると評されています。

リリースと評価

アルバムは2008年11月26日にリリースされ、オリコン週間CDアルバムチャートで初登場2位を記録。平成生まれのアーティストとして初のTOP3入りを果たしました。日本レコード協会からはゴールドアルバムに認定されています。

音楽評論家からも肯定的な評価を受けており、「19歳の等身大の姿が見え隠れする」「泣ける歌で構成されている」「古き良き時代のソウルミュージックを彷彿とさせる」などと評されています。

まとめ

『Umbrella』は、清水翔太の音楽的原点と10代の感性が凝縮された、記念すべきファーストアルバムです。R&Bを基調としながらも、様々な音楽ジャンルからの影響を感じさせるサウンド、そして等身大の歌詞が、多くのリスナーの共感を呼びました。

収録曲

1. Diggin' On U
2. With You
3. One Last Kiss
4. Love Story
5. Rainy Day's Morning
6. UNHAPPY
7. ソレゾレ
8. LOVIN U
9. 「アイシテル」
10. My Love
11. Soulmate
12. HOME
13. My Treasure
14. HOME (HIPHOP REMIX) ※日本盤ボーナストラック

もう一度検索