Uniscribe

Uniscribe（ユニスクライブ）とは

Uniscribeは、Microsoft Windowsオペレーティングシステムにおいて、Unicodeで符号化されたテキストを正しく表示するための重要なレンダリングサービスです。このサービスは、「USP10.DLL」というダイナミックリンクライブラリとして提供され、Windows 2000およびInternet Explorer 5.0以降の環境で広く利用されています。また、Windows CE環境においてもバージョン5.0から対応しています。

Uniscribeの主な機能

Uniscribeは、単に文字を画面に描画するだけでなく、以下のような複雑な処理を行います。

テキストの入力列を表示列に変換: 入力された文字コードの並びを、実際に画面に表示されるべき文字の並びに変換します。例えば、双方向テキスト（右から左に記述する言語と左から右に記述する言語が混在する場合など）の並び替えや、縦書き表示などに対応します。
文脈に応じたグリフの置換: 言語によっては、文字が単独で表示される場合と、単語や文中で他の文字と組み合わさる場合で、異なる形状（グリフ）で表示されることがあります。Uniscribeは、文脈に応じて適切なグリフを選択し、表示します。アラビア文字のように、文字の位置によって形が変わる言語に特に重要です。
テキストの書字方向と表示順の制御: 左から右（LTR）に書く言語、右から左（RTL）に書く言語、さらには縦書きなど、異なる書字方向に対応し、テキストを正しく表示順に並べ替えます。

USP10.dllについて

「USP」は、「Unicode Scripts Processor」の略で、USP10.dllはUniscribeの中核となるコンポーネントです。

このDLLの主なバージョンと配布形態は以下の通りです。

Windows 2000およびInternet Explorer 5.0以降に標準搭載
Windows CE 5.0以降に標準搭載
Windowsのアップデートを通じて、機能強化が行われている

Uniscribeの更新

Uniscribeは、Windows 2000以降の環境で利用可能ですが、Windowsのバージョンアップに伴い、新たな文字体系への対応や機能の強化が継続的に行われています。初期の更新では、アラビア語、ヘブライ語に対応し、その後タイ語やベトナム語といった言語がサポートされました。Windows XP以降では、南アジアやアッシリアで使用される文字体系にも対応しています。

特定のアプリケーションでのみ、より新しいバージョンのusp10.dllを利用したい場合は、新しいバージョンのファイルを当該アプリケーションのディレクトリにコピーすることで対応可能です。これにより、システム全体を更新することなく、特定のアプリケーションのみで最新のUniscribe機能を利用できます。

参考情報

以下にUniscribeに関する参考資料をまとめます。

Uniscribe (英語)
Microsoft Typography (英語)
Uniscribe at MSDN (英語))
国際SIL. Uniscribe versions (英語)

外部リンク

How to update usp10.dll at Windows 2000 (英語)
FAQ about usp10.dll (英語)
* Uniscribe versions (英語)


Uniscribeは、多言語環境で正確なテキスト表示を実現するために不可欠な技術であり、その継続的な進化は、グローバルな情報コミュニケーションを支える上で重要な役割を果たしています。

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