Unix to Unix Copy Protocol

Unix to Unix Copy Protocol (UUCP) について

Unix to Unix Copy Protocol（UUCP）は、初期のインターネットにおいて、UNIXマシン間でデータ転送を行うために広く利用されていた通信プロトコルです。特に、ダイヤルアップ接続を介したファイル転送やメール交換を効率的に行うために設計されました。UUCPのネットワークを支える主要な通信プロセスとして `uucico` が挙げられます。

UUCPの特徴と利用シーン

UUCPは、料金定額制の電話回線や、電話料金が比較的安価な夜間時間帯での利用を前提としていました。これにより、ファイル転送やメール送信などのデータ転送を、コストを抑えながら行うことができました。具体的には、転送すべきデータが一定量蓄積されるまで待機し、まとめて転送するなどの利用方法が想定されていました。

初期のインターネット環境では、専用回線が非常に高価であったため、UUCPは広く利用されていました。しかし、インターネットプロトコルとしてTCP/IPが主流になり、通信料金が低下、インターネット接続が高速化、さらに定額制や常時接続が一般的になった現代では、特別な環境下を除いて、UUCPが利用されることはほとんどありません。ただし、通信衛星など、非常に高価な通信手段しか利用できない洋上船舶などでは、メール交換のためにUUCPが依然として活用されています。

バケツリレー方式による情報配信

UUCPが全盛期だった時代には、「バケツリレー」と比喩される仕組みで、メールやネットニュースが配信されていました。これは、ある組織（研究機関、大学、企業など）から別の組織にメッセージを送る際に、経路上にある複数の組織がUUCPを用いて順次メッセージを転送する方式です。例えば、組織Aから組織Dへメッセージを送る場合、組織A→組織B→組織C→組織Dのように、段階的にメッセージがリレーされて目的の組織に届けられました。

UUCPとTCP/IPの連携

メールやネットニュースのメッセージ形式は、基本的には通信に使用するレイヤに依存しません。そのため、現代の主流であるTCP/IPとUUCPの間での相互通信も可能です。この技術を「UUCP over TCP/IP」と呼びます。これにより、異なるネットワーク環境間でのスムーズな情報伝達が可能になりました。

UUCP関連技術と用語

• - uuencode: バイナリデータをテキスト形式に変換するツールで、UUCP環境下でのファイル転送に利用されました。
• - パソコン通信: UUCPと同様に、初期のネットワーク環境で利用された通信方式の一つです。
• - パケット通信 (アマチュア無線): アマチュア無線におけるデータ通信方式で、RBBSやAX.25などが関連技術として挙げられます。UUCPとは異なる技術ですが、同様にストアアンドフォワードの概念を持つものがあります。
• - ダイヤルアップ接続: 電話回線を利用した接続方式で、UUCPが主に利用されていた環境です。
• - ストアアンドフォワード: データが一度中継地点に蓄積され、後で別の場所に転送される方式で、UUCPの基本的な動作原理です。

まとめ

UUCPは、初期のインターネットを支えた重要な通信プロトコルの一つです。現代ではTCP/IPにその役割を譲りましたが、当時のネットワーク環境や技術を理解する上で欠かせない存在です。

外部リンク

• - RFC 976: UUCP Mail Interchange Format Standard

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