常時接続

常時接続とは

常時接続とは、コンピュータがネットワーク、特にインターネットに四六時中アクセス可能な状態を指します。これによって、ユーザーは必要なときにいつでもインターネットに接続できます。以下では、常時接続の定義やその利用方法について詳しく解説します。

狭義の常時接続

狭義での常時接続は、プロバイダーや回線事業者のバックボーン回線への接続において、発呼や認証の手続きを必要としない接続手法を指します。これは主に商用の公開サーバーのインターネット接続や、ISP同士のトランジット回線、または回線リセーラへのホールセールを目的に利用されます。

この形態では、通信事業者が提供する専用線やエコノミー回線などの品質保証された法人向けの通信サービスを使用して接続します。ユーザーの接続端末は通常、グローバルIPアドレスやグローバルユニキャストアドレスを使い、固定かつ不変のものが割り当てられます。接続先のISPネットワークの中でも通信品質が確保されており、企業用の回線として使用されるため、通信が途絶えた場合の補償規定が契約に含まれるのが一般的です。

広義の常時接続

広義では、常時接続は主に個人や小規模企業向けに提供されるインターネット回線の定額制を指します。この場合、フレッツISDNやCATV、ADSL、FTTHなどの公衆回線を使用し、ISPのネットワークに接続します。

ただし、この接続方法では発呼や認証の手順が必要なため、常時接続が確保されているわけではありません。特に、フレッツのIPv6サービスを利用する際は、DHCPv6によりIPv6アドレスが割り振られ、これもまたNAT運用や半固定運用が行われます。このため、契約としても24時間年中無休で接続が保証されているわけではないことに注意が必要です。

常時接続の普及の経緯

インターネット接続の初期には、加入電話やISDNなどを用いたダイヤルアップ接続が一般的でした。この方法では使用量に応じた従量制の料金設定が採用されていましたが、インターネットの普及が進む中で、高速で安定した接続を求めるユーザーが増えました。これに伴い、2000年以降はフレッツ・ISDNなどの定額制サービスが登場し、その後もCATV、ADSL、FTTHなどの固定回線も定額制を採用するようになりました。

このような変化により、ユーザーは接続状態を継続することが可能になり、かつ料金が変わらないため、回線の切断を気にすることなくインターネットを利用できるようになりました。従量制との対比から「常時接続」という言葉がマーケティングで用いられ、結果として定額制サービスの代名詞として広まることになったのです。

その他の接続形態

モバイルデータ通信におけるパケット定額制は、常時接続とは呼ばれることが少ないです。これは、無線通信の特性や端末の電源確保の難しさから、接続していない時間が長くなるためです。運転中のテレマティクス等では一定の固定利用と同レベルの接続が可能ですが、一般的には常時接続とは異なる扱いを受けています。

このように、常時接続はインターネット利用のスタイルを大きく変えてきた要素であり、今後も進化し続けるでしょう。

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