Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2

Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2

『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2』は、2010年11月24日に発売された宇多田ヒカルのコンピレーション・アルバムです。2004年の『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1』以来、約6年半ぶりのリリースとなりました。

背景

2010年8月、宇多田ヒカルは活動休止を発表し、同時に本作のリリースを発表しました。本作は、2004年から2009年までに発表されたシングル・アルバムから選曲されています。前作とは異なり、リリースを遡る形で収録されており、デジタルシングルとして発表された楽曲も含まれています。

特筆すべき点として、Disc 2には未発表曲が5曲収録されています。これらの新曲は、宇多田ヒカル自身が過去との和解や自己との対峙をテーマにしており、デビューアルバム『First Love』に通じる内省的な作風が特徴です。

初回限定盤には、三つ折りペーパースリーヴ+ケース仕様、くまお守り封入、横浜アリーナ2daysコンサート招待応募抽選案内が封入されるなど、豪華な特典が付属していました。また、予約購入者には先行シングル「Goodbye Happiness」のビデオ・クリップを収録したDVDがプレゼントされました。

収録曲とプロモーション

Disc 2に収録された新曲は以下の通りです。

Hymne à l'amour 〜愛のアンセム〜: エディット・ピアフのカバーで、ペプシネックスのCMソングとして使用されました。
Goodbye Happiness: ミュージックビデオは宇多田ヒカル自身が監督を務め、レコチョクのCMソングにも起用されました。
Show Me Love (Not A Dream): 映画『あしたのジョー』の主題歌です。
嵐の女神: 母親の藤圭子への感謝の気持ちを歌った曲で、森永製菓のキャンペーンソングとして使用されました。
Can't Wait 'Til Christmas: ペプシネックスのクリスマスCMソングとして使用されました。

アルバムのプロモーションとして、宇多田ヒカルはTwitterアカウントを開設し、YouTubeの公式チャンネルも開設しました。また、多数の雑誌で特集が組まれ、ラジオ番組にも出演するなど、精力的な活動を展開しました。

2010年12月には、横浜アリーナでコンサート「WILD LIFE」を開催。このコンサートは全国の映画館で生中継され、スペースシャワーTVでも放送されました。

批評

本作は批評家から肯定的な評価を受けています。

『hotexpress』の平賀哲雄は、宇多田ヒカルの楽曲が切なさを増している点を指摘し、その世界観と声と言葉の説得力を高く評価しました。
『リッスンジャパン』の近藤陽は、宇多田ヒカルのサウンドが内から外へとシフトしている時期の作品として、その変貌を俯瞰するのに最適な作品であると評しました。また、新曲には彼女自身の強力なエネルギーが満ち溢れていると評価しました。
『WHAT's IN?』の柳沢幹夫は、楽曲それぞれの輝きと、聴き手の想いに結びつく点を評価し、新曲の爆発力に奇跡を感じると述べました。

チャート成績

発売初週に23.1万枚を売り上げ、オリコン週間アルバムランキングで初登場1位を獲得。デビューアルバムから7作連続1位という記録を達成しました。Billboard JAPAN Top Albumsでも1位を獲得し、2010年11月には日本レコード協会からダブル・プラチナ認定を受けました。

まとめ

『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2』は、宇多田ヒカルの活動休止前にリリースされた集大成的な作品であり、彼女の音楽的な進化と内面世界を深く理解できる一枚です。新曲を含む充実した内容で、多くのファンを魅了しました。

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