V2 (ユニット)

V2: 日本のスーパーグループの興隆

V2（ブイツー）は1991年に音楽界の二大巨頭、小室哲哉とYOSHIKIによって結成された日本のスーパーグループです。このグループは期間限定のコラボレーションとして知られていますが、その楽曲とパフォーマンスは今なお多くの音楽ファンの心に刻まれています。

メンバー

• - 小室哲哉: ボーカル、シンセサイザー、ピアノ、作曲、編曲
• - YOSHIKI: ドラムス、ピアノ、作曲、編曲

結成の背景

V2の誕生は、市川哲史によるインタビューを通じて明らかになりました。小室哲哉がYOSHIKIに興味を持ったのは、彼のバンドX（後にX JAPANとして知られる）の日本武道館公演を観たことがきっかけでした。その後、彼は吉見佑子の紹介でYOSHIKIと初めて対面し、意気投合しました。

この初対面の中で、YOSHIKIがインディーズレーベルの設立を考えていること、小室が既存のレコード会社との契約の使い道について既に考えていたことが、双方の理解を深めました。意識の高いプロデューサー同士の共感から、彼らは「何かを一緒にやろう」と決意し、全てのコンセプトを二人で決めることにしました。

当時、小室のプロジェクトTM NETWORK|TM_NETWORKは勢いを失いつつあり、一方でYOSHIKIのXは人気を博していました。このような背景から、小室は新たなシングルリリースを目指し、Xの人気度に乗っかる考えを持っていました。実際、レコード会社のスタッフの介入が一切ない状態で、自らの手でユニットの設立を進めたことは音楽業界において特筆すべき出来事でした。特に、彼らはレーベルを跨いだコラボレーションを実現したことで、業界に新風を巻き起こしたのです。

ユニット名の由来

V2の名前は、第二次世界大戦中にドイツが開発したV2ロケットに由来しています。この名称には特別な意味が込められており、音楽の限界を超える試みを象徴しています。ユニット名が決まる過程では、別のバンドが同名に存在したこともありますが、V2は無関係です。

特別ライブ「VIRGINITY」

1991年12月5日、東京ベイNKホールにて一度限りのライブ『VIRGINITY』が行われました。このライブは、小室がモーツァルトの没後200年を記念した自身のソロライブをV2として変更したもので、全2時間の内容が披露されました。シングルに収録された曲や、YOSHIKIのドラムソロ、小室のソロ曲など多彩なパフォーマンスが行われ、観客を魅了しました。このライブの模様はビデオ『SPECIAL LIVE 1991.12.5 VIRGINITY』に記録されています。

V2の影響とその後

V2プロジェクトを通じて、小室哲哉はプロデュース業の面白さを知り、後の音楽ブームの先駆けとなります。その結成と活動は音楽シーンに革命をもたらしたと評価されています。活動終了後も、二人の関係は続き、2002年にはYOSHIKIが小室のユニットglobeに参加しました。

2015年には、小室が音楽番組で「背徳の瞳〜Eyes of Venus〜」を披露し、V2の存在が再評価されました。これはファンにとって、彼らのユニットが未だに影響力を持っている証拠と言えるでしょう。

ディスコグラフィ

V2がリリースした唯一のシングル「背徳の瞳〜Eyes of Venus〜」は1992年に発売され、オリコンチャートで初登場2位を記録しました。また、ライブビデオは当時の観客から高い評価を得、音楽の歴史に残る重要な作品となりました。

V2は短い期間の活動でしたが、その独自性と革新性により、日本の音楽シーンに大きな足跡を残しています。彼らの物語は、今なお多くの人々の記憶に新たに息づいています。

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