VASIS

VASIS（Visual Approach Slope Indicator System）

VASISは航空機の着陸時に重要な役割を果たす、視覚的進入角指示システムです。航空機が滑走路に適切な角度で降りるために設けられた灯火であり、その鮮明な視認性は飛行の安全性を高めています。このシステムは、特に計器着陸装置（ILS）が設置された飛行場での使用が義務付けられていました。

概要

VASISは、滑走路の末端付近に設置された灯火によって、着陸する航空機に進入角の適正さを示します。澄んだ空気の条件のもとでは、7.4km（約4マイル）手前から視認することが可能です。日本では正式な略称として「VASIS」が使われていますが、他国では「VASI」と呼ばれることが一般的です。現在、日本国内の民間空港では、より高精度のPAPI（Precision Approach Path Indicator）に置き換えられているため、VASISは設置されていません。

VASISの種類

VASISにはいくつかのタイプが存在します。それぞれ異なる構造や視覚的な表示方法で、航空機に進入角を伝えます。

1. 2バーVASIS

このシステムは、2つの灯器列で構成されており、上段の灯器が白、下段の灯器が赤に点灯します。上から見て、白白であれば航空機は高く、赤赤であれば低すぎる進入角と判断されます。日本の旧規定では両側に合計12灯器が設置されます。

2. 3バーVASIS

この型は3列の灯器を持ち、各列が異なる色を表示します。第一灯列が白、第二灯列が赤、第三灯列が赤に点灯することが小型機の適正進入角で、それ以外の組み合わせが大型機の進入角を示します。日本では、第一・第二灯列が2バーVASIS同様の構成となっています。

3. Tri-color VASI

この装置は、1つの灯器が3色に変化する仕組みを取っており、赤、緑、黄（琥珀色）で進入角の良否を知らせます。特に欧州諸国で普及していますが、日本では未設置です。

4. PLASI / PVASI

PLASIは色の変化と明滅によって進入角を知らせるシステムで、緑の明滅が適正な進入角を示します。日本では、HAPI（ヘリコプターアプローチパス指標）として知られています。

5. T-bar VASIS / T-VASI

この型は灯器の形状で進入角を示します。正しい角度では一直線に、低すぎる場合はT字、逆Tの字に見える構造です。日本国内では存在しないものの、他国で活用されています。

VASISの欠点

VASISの設置には、いくつかの欠点が存在します。例えば、200フィート以下の進入角では精度が不足することや、もやの中や逆光時には色が見えにくくなることがあります。これらの理由から、日本ではPAPIへの切り替えが推進されています。

関連項目

• - PAPI
• - 進入灯
• - 計器着陸装置

VASISは航空機の安全な着陸に欠かせない設備ですが、現状では日本では主にPAPIが利用されていることから、発展と進化が求められています。

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