VEC装甲偵察車

ペガソ VEC（Vehículo blindado de Exploración de Caballería）

ペガソ VECは、スペインで製造された装甲偵察車であり、1980年にスペイン軍において正式に採用されました。この車両は、BMR装甲兵員輸送車の派生型であり、特に偵察任務に特化した設計が特徴です。このVECは、装輪装甲車としての特性を持ちながら、様々なバリエーションが存在することが魅力です。

VECの設計と特性

ペガソ VECは、BMR-625 VECまたはペガソ 3562としても知られており、基本的な設計はBMR装甲兵員輸送車を基にしています。しかし、他のモデルと異なり、VECは特に偵察任務に対応できるように改良されています。装備されている砲塔にはM242 ブッシュマスター 25mmチェーンガンとMG3S 7.62mm同軸機関銃を搭載するVEC-25や、イスパノスイザ社製のD921 90mm低圧砲とMG3Sを装備したVEC-90があります。最初のモデルであるVEC-20は、ラインメタルRh202 20mm機関砲を搭載していましたが、1987年以降、25mm機関砲へと交換されました。

この装甲車の設計は、エンジン配置の工夫がされています。エンジンは元々車体前部右側に位置していましたが、後部左側に移設されました。これにより、車体後部右側には2名の偵察員が登場し、1名は後方を監視する役割を担います。その他の配置は、操縦手が車体前部左側に、車長と砲手が砲塔に配置されます。また、後面右側には偵察員用の乗降扉があります。

製造と進化

VEC装甲車は、強固な防弾アルミ合金で構成された車体を特徴としていて、浮航能力も有しています。水上では、タイヤの回転によつて時速3kmで航行可能で、オプションで搭載可能なウォータージェットを追加することで、時速9kmでの航行も可能です。前面にはスペースド・アーマーが採用され、優れた防御力を持っています。

1990年代後半には、さらなる改良が行われ、ディーゼルエンジンが「ペガソ 9157/8」から「スカニア DS9」に換装されました。また、増加パッシヴ装甲の装備により、性能が向上したモデル、VEC-M1も登場しました。

運用状況

現在、ペガソ VEC装甲偵察車はスペイン軍をはじめ、ガイアナ軍でも運用されており、装甲偵察任務における重要な役割を果たしています。これにより、VECは国防や地上戦力の向上に寄与しています。

比較

VEC装甲車は、他の偵察車両と比較してもその独特な設計と、高い運用能力を誇ります。特に、87式偵察警戒車やルクス装甲車などと比較した場合、装備や機動力においてそれぞれの用途に特化したメリットを持っています。

このようにペガソ VECは、スペインの軍用車両の中で、特に偵察任務に強みを持つ装甲車両として、重要な役割を果たし続けています。

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