VENTO DE FELICIDADE 〜しあわせの風〜

T-SQUAREの50枚目となるオリジナル・アルバム『VENTO DE FELICIDADE 〜しあわせの風〜』は、2023年5月31日にリリースされました。本作は、T-SQUARE結成45周年を記念する作品であり、現メンバーの伊東たけし、坂東慧に加え、安藤正容、河野啓三、仙波清彦、久米大作、田中豊雪、長谷部徹、則竹裕之、須藤満、本田雅人、松本圭司、宮崎隆睦といった歴代メンバー、さらには田中晋吾、白井アキト、外園一馬、山崎千裕といったサポート・メンバー、そして渡辺香津美、鳥山雄司、TOKUがゲストとして参加するという、非常に豪華な内容となっています。

アルバムタイトルの「VENTO DE FELICIDADE」はポルトガル語で、「しあわせの風」を意味します。収録曲は、坂東慧が3曲、河野啓三と本田雅人がそれぞれ2曲、松本圭司が1曲を提供しています。特筆すべきは、9曲目に収録されている「Rooms with a view」で、この楽曲は2021年4月26日に急逝した元メンバー、和泉宏隆の未発表曲に、盟友である鳥山雄司が手を加え、1つの楽曲として完成させたものです。長年のファンにとっては、非常に感慨深い一曲と言えるでしょう。

また、5曲目の「CLIMAX」は、映画『グランツーリスモ』の日本語吹替版テーマソングに採用されています。初代リーダーである安藤正容がT-SQUARE在籍時代に『グランツーリスモシリーズ』のメインテーマ曲「MOON OVER THE CASTLE」を手がけた縁で、今回のテーマソング採用が実現しました。T-SQUAREとグランツーリスモの繋がりを感じさせるエピソードです。

本作は、SACD2枚とBlu-ray1枚の合計3枚組で構成されています。CD2枚目には、和泉宏隆が1987年に作・編曲した「ELEGY」が収録されています。この楽曲は、稲越功一監督のドキュメンタリービデオ「TOKYO」のために書き下ろされたもので、今回が初のCDレコード化となります。Blu-rayには、ライブ動画4曲が収録されており、T-SQUAREのライブパフォーマンスを映像で楽しむことができます。

さらに、同年7月12日にはアナログ盤も発売されました。30cmLPアナログ盤2枚組で、180g重量盤となっています。マスタリングはスターリング・サウンドのテッド・ジェンセン、カッティングはアビー・ロード・スタジオのアレックス・ゴードンが担当し、音質にも徹底的にこだわった仕上がりとなっています。アナログ盤はCDとは曲順が異なっているので、聴き比べてみるのも面白いでしょう。

アルバム全体を通して、T-SQUAREの45年の歴史と、メンバーたちの音楽に対する情熱が感じられる作品となっています。長年のファンはもちろん、T-SQUAREを初めて聴く人にもおすすめできる、バラエティに富んだ内容です。

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