Video Electronics Standards Association(VESA、日本語読みはベサ)は、パソコンや
ワークステーションなどのビデオ周辺機器に関する業界
標準化団体です。VESAは、
ディスプレイ、グラフィックカード、モニターアームなど、幅広い分野で標準規格を策定しており、これらは製品間の互換性を確保し、消費者が安心して製品を選べるようにするために重要な役割を果たしています。
VESAが制定した主な標準規格
DisplayPort
DisplayPortは、デジタル
ディスプレイ装置のために設計された映像・音声出力インターフェースの標準規格です。高解像度、高リフレッシュレート、高色深度の映像を伝送することが可能で、パソコン、モニター、グラフィックカードなどの間で広く利用されています。
Flat Display Mounting Interface (FDMI)
FDMI、通称『VESAマウント』は、
ディスプレイとモニターアームを接続するための金具の規格です。この規格により、異なるメーカーの
ディスプレイやモニターアームを簡単に組み合わせることができ、利用者は自分の作業環境に合わせて最適な配置をすることができます。
VESA ローカルバス (VLB)
VLBは、PCIが登場する以前のウィンドウアクセラレータにおけるローカルバスの標準化を目指した規格です。各社が独自に開発していたアクセラレータの仕様を統一し、互換性を確保することで、ハードウェアの選択肢を広げ、開発コストを削減しました。
VESA BIOS Extensions (VBE)
VBEは、ウィンドウアクセラレータにおける解像度の変更などを標準化するための規格です。以前は各社が独自の方法で解像度を制御していましたが、VBEにより、アプリケーションは異なるハードウェア環境でも同じように表示することができるようになりました。
VESA Display Data Channel (DDC)
DDCは、
ディスプレイ側から
ビデオカードに向けて許容解像度などの情報を送信する
プラグアンドプレイのための規格です。これにより、パソコンは
ディスプレイの種類を自動的に認識し、最適な設定で表示することができます。
VESA Display Power Management Signaling (DPMS)
DPMSは、
ディスプレイの省電力モードを標準化したものです。この規格により、パソコンが
ディスプレイの電源を自動的に制御し、使用していないときは消費電力を削減することができます。
VESA Media Channel (VMC)
VMCは、グラフィックスカードと
ビデオカードなどを接続するためのインターフェース仕様です。これにより、異なるビデオデバイス間でのデータ伝送を標準化し、システム構築を容易にしました。
その他のVESA標準
VESAは、上記以外にも、LCDフラットパネルのコネクタ位置や形状、LCDモニタのアーム、ビデオケーブルのタイミングやコネクタなど、多岐にわたる分野で標準化を推進しています。これらの標準は、製品の設計、製造、利用のあらゆる段階で、互換性と効率性を高めることに貢献しています。
VESAの活動は、
ディスプレイ技術の進化と普及に不可欠であり、業界全体の発展を支える重要な要素となっています。これらの標準規格があることで、ユーザーは安心して製品を利用でき、メーカーは互換性を気にすることなく開発に集中することができます。
VESAは、これからも技術革新に対応し、業界標準を策定し続けることで、
ディスプレイ技術のさらなる進歩に貢献していくでしょう。
VESA - Interface Standards for The Display Industry(英語)