VK3001(H) 12.8cm自走砲

VK3001(H) 12.8cm自走砲

VK3001(H)自走砲は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツが開発した自走砲で、「シュタール・エミール」や「シュトゥーラー・エミール」として知られています。この自走砲は、12.8 cm FlaK 40 対空砲を基にしたラインメタルの12.8cm K40 L/61カノン砲を主砲として搭載しており、その力量は非常に注目されるものでした。

概要

この車両は1939年から開発が始まり、最初はマジノ線攻略を目的としていました。しかし、フランスの迅速な制圧により、その必要性が薄れたことから、対戦車自走砲へと役割が変更されました。VK3001(H)のシャーシは、元々はヘンシェル社が開発していたVK30.01(H)重戦車のものを流用したものでしたが、車体を延長することで大砲の搭載スペースを確保し、多くの改良が加えられました。

車体前部には操縦手席が設けられ、右側には無線手席が配置されていました。また、戦闘室はオープントップ式で、8枚の装甲板から成り、装甲厚は前面50mm、側面20mm、後面15mmが施されています。これにより、ある程度の防御力が確保されていますが、オープントップの設計は敵の攻撃に対して脆弱な一面も持っていました。

構造

VK3001(H)は、主砲の重量に対応するために車体後方を延長し、結果的に転輪が片側8組へと増加しました。この仕様により、履帯の接地面積が拡大し、操縦性が向上しました。また、エンジンの位置も変更され、主砲はエンジン前方の台座に固定されました。主砲の12.8cmカノン砲は、61口径の長砲身であり、最大射程は約3,000mでした。使用する弾薬には榴弾と徹甲弾があり、初速はどちらも880m/sに達します。

配備と運用

第521戦車駆逐大隊に1942年5月に2輌が配備され、同年7月には東部戦線にて戦闘が開始されました。これらの自走砲はスターリングラードの戦闘に参加しましたが、そのうちの1輌は戦闘で失われ、もう1輌はソ連軍に鹵獲されました。この時、鹵獲された自走砲の砲身には22のキルマークが描かれており、その存在の証明と価値を示しています。現在、この一両はクビンカ戦車博物館にて展示されています。

登場作品

VK3001(H)はその独特なデザインと歴史から、多くの文献や戦車関連の作品に取り上げられています。その影響力や技術的特異性により、戦車史において重要な位置を占める存在となっています。

まとめ

VK3001(H)自走砲は、短期間で生産されたにもかかわらず、その効果的な火力と独自の設計から、第二次世界大戦の地上戦における特異な武器として評価されています。その特性や歴史的背景は、多くの興味を引きつけ続けています。

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