VXV

OKAMOTO'Sの6枚目のオリジナルアルバム『VXV』（ファイブ・バイ・ファイブ）は、彼らの音楽的な冒険心と、日本の音楽シーンを代表するアーティストたちとのコラボレーションによって生まれた意欲作です。2014年8月27日にアリオラジャパンからリリースされました（5.5枚目と表記）。

アルバムの背景

OKAMOTO'Sは過去にもコラボレーションアルバムの企画がありましたが、当時はバンドの音楽的な方向性が定まっておらず、また参加アーティストのスケジュール調整も難航したため、実現には至りませんでした。しかし、5周年を迎え、前作『Let It V』で多様な音楽スタイルへの挑戦を試みた彼らは、改めてコラボレーションアルバムの制作に意欲を示します。メンバーのオカモトレイジは、「次は5人目のメンバーを入れたら面白いんじゃないか？」という発想から、この企画がスタートしたと語っています。

豪華アーティストとのコラボレーション

『VXV』には、RIP SLYME|RIP_SLYME、東京スカパラダイスオーケストラ、ROY (THE BAWDIES)、奥田民生、黒猫チェルシーといった、ジャンルを超えた豪華なアーティストたちが参加しています。

Wanna? / OKAMOTO'S × RIP SLYME|RIP_SLYME

HIP HOPグループのRIP SLYME|RIP_SLYMEとのコラボでは、Run-D.M.C.とAerosmithの『Walk This Way』やDragon Ashの『I LOVE HIP HOP』のような、リフが印象的で観客全体が一体となって盛り上がれるような楽曲を目指しました。楽曲にはMICROPHONE PAGERの「Two Night」が引用されています。

Heart On Fire / OKAMOTO'S × 東京スカパラダイスオーケストラ

メンバーが高校時代にコピーしていたという東京スカパラダイスオーケストラとのコラボでは、当初OKAMOTO'S側から「スウィートなロックステディ」や「ジャジーな曲」といったアイデアが出ていましたが、最終的にはどのジャンルにも当てはまらない、スカパラらしい熱いサウンドに仕上がっています。

Never Mind / OKAMOTO'S × ROY (THE BAWDIES)

THE BAWDIESのROYとのコラボでは、当初ポップな曲を提案したOKAMOTO'Sに対し、ROYが「もっと黒いのがいい」と要望したことから、モータウン風の楽曲に挑戦。最終的にはお互いのルーツが合致し、独特のグルーヴ感を生み出しています。

答えはMaybe / OKAMOTO'S × 奥田民生

奥田民生との制作は3日間の合宿形式で行われましたが、最初の2日間は釣りやドライブに費やされ、リラックスした雰囲気の中で制作が進められました。レコーディングはほぼ1テイクで完了し、奥田民生の才能とOKAMOTO'Sの柔軟な音楽性が融合した楽曲となっています。

* Family Song / OKAMOTO'S × 黒猫チェルシー

同い年でデビュー日も同じという共通点を持つ黒猫チェルシーとのコラボでは、互いのデビュー日である5月26日にレコーディングを実施。ツインドラム編成を取り入れ、シンプルながらも力強いビートが印象的な楽曲に仕上がっています。

初回限定盤DVD

初回限定盤には、2014年4月29日にSHIBUYA-AXで行われた「OKAMOTO'S TOUR 2014 "Let It V"」のツアーファイナルの模様と、レコーディング風景を収録したDVD「OKAMOTO'S MOVIE 7」が付属しています。

『VXV』は、OKAMOTO'Sの新たな可能性を示すとともに、日本の音楽シーンの多様性と創造性を体現した作品と言えるでしょう。

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