VideoStudio

VideoStudio（ビデオスタジオ）について

VideoStudioは、カナダのソフトウェア会社であるコーレル株式会社（Corel Corporation）が販売している、ノンリニア編集方式を採用した動画編集ソフトウェアです。動画編集だけでなく、スライドショーの作成も行うことができ、略称として「ビデスタ」「VS」「CVS」「UVS」などが用いられることがあります。

概要

VideoStudioは、様々な動画、画像、音声ファイルに対応しており、テキスト、エフェクト、トランジションなど、豊富な編集機能を備えています。編集した動画はDVDやBlu-rayへのオーサリング、各種動画ファイル形式での保存、YouTubeへの直接アップロードが可能です。さらに、スマートプロキシ機能により高解像度動画編集時のPC負荷を軽減、低スペックPCでも快適な編集ができます。スマートレンダリング機能は再レンダリングを最小限に抑え、出力時の画質劣化を防ぎつつ高速化を実現します。

2000年から2014年までBCNランキングで1位を獲得していましたが、世界的なソフトウェアコーナーの縮小、パソコンのDVDドライブ廃止、ダウンロード版の普及により、ランキングに反映されづらくなっています。2006年まで上位モデルとしてMediaStudio Proが販売されていましたが、現在はPinnacle Studioがより高度な編集機能を備えた上位モデルとして位置づけられています。

主な機能

取り込み

- カメラ: DVカメラ、HDDカメラからのデータ転送に対応。360度カメラ、4K映像、3D映像もサポート。
- デジタルメディア: 著作権保護のないDVDからMPEG2形式での取り込みが可能。
- ストップモーション: Webカメラや一眼レフを使用し、連続撮影が可能。オニオンスキン機能も搭載。
- Multicam Capture Lite: PC画面とWebカメラの同時録画が可能。ゲーム実況動画作成に便利。

編集関連

- 3ステップ編集: 「取り込み」「編集」「完了（出力）」の3ステップで操作画面を切り替え、初心者にもわかりやすいインターフェース。
- オーバーレイ: 動画、画像、テキストを最大50個以上同時に表示可能。
- クロップモード: オーバーレイトラックの動画を任意の四角形に切り取り。
- 基本モーション: フェードイン・アウト、移動などの簡易アニメーションをワンクリックで適用。
- 高度なモーション: 位置、回転、透明度、影などをキーフレームで細かく設定。
- トランジション: クリップ間の切り替え効果を適用。オーバーレイ上でクリップを重ねるとランダム適用（設定変更可能）。
- ペインティングクリエイター: 映像上に手書き文字や絵を描画、動画として合成。ペンタブレット対応。
- スマートプロキシ: 高解像度動画編集時のPC負荷を軽減する中間ファイルを作成。ProResにも対応。
- マルチカム編集: 複数カメラで同時撮影した映像を同期し、カメラアングルを切り替えながら編集。
- 速度調整: 動画速度を1％～1000％以上で変更可能。200％まで音程維持。
- テキスト挿入、エフェクト、トランジション、色調整などの基本編集機能も搭載。

合成関連

- マスキングやクロマキー合成に対応。
- 分割画面: 漫画のコマのようなフレームに動画や画像をはめ込み。Ultimate版ではフレーム形状をカスタマイズ可能。
- 透過MOV: オーバーレイ合成用の素材を作成可能。

オーディオ関連

- オーディオトラック: 8つの音声トラックを同時使用可能。
- サウンドミキサー: 各クリップの音量調整、左右の音量バランス、キーフレーム設定が可能。
- 音のクロスフェード: タイムライン上の音声クリップを重ねてフェードイン/アウト。
- ScoreFitter: ジャンル、時間などを設定すると、BGMを自動生成。（Ver.X8以降）
- 5.1chサラウンド: 5.1ch動画に対応。疑似5.1ch作成も可能。

出力関連

- MPEG2、MPEG4、H.264、MOV、AVIなどの動画形式、WAVなどの音声形式、JPEGやGIFなどの画像形式に対応。
- DVD-Video、AVCHD DVDの作成。プラグイン導入でBlu-ray（BDMV）の作成が可能。
- YouTube、Vimeoへのアップロード。
- iPhoneなどのモバイル機器、PS3などのゲーム機への出力。
- Nvidia Cuda、Intel および AMD DirectX ビデオアクセラレーション対応。
- スマートレンダリング: カット編集時、素材と同形式で出力する場合、変更箇所のみ再エンコード。
- MPEGオプティマイザ: MPEG2、MPEG4でのスマートレンダリング使用率を視覚化。

各グレード

VideoStudioは現在、Pro、Ultimateの2グレードで展開。

- VideoStudio Pro: 標準モデル。360度映像編集、広角レンズ補正、マルチカム編集（4台まで）、オーサリング機能（Corel MyDVD搭載）を搭載。
- VideoStudio Ultimate: 上位モデル。豊富なエフェクト、文字機能、手振れ補正プラグインが追加。1100ドル以上の価値があるとされる。

過去のバージョンにおける主な機能追加

- （2022）顔のインデックス作成
- （2019）カラーグレーディング、シームレストランジション
- （2018）分割画面テンプレートクリエーター、3Dタイトルエディター
- （X10）マスククリエーター
- （X9）MXFの読み込み、マルチカムエディタのトラック増（4→6）

他社プラグイン

- proDAD Mercalli SE（手ぶれ補正フィルター）
- proDAD RotoPen（マップウォーキング）
- proDAD VitaScene（ビデオフィルタ、トランジション）
- NewBllueフィルター（各種フィルタ）
- proDAD Handscript（手書きアニメーション）
- Newblue FX Color Fast（色調補正フィルター）
- NewBlueFX Essentials IV（各種フィルタ）
- NewBlue VideoEssentials VII(各種フィルタセット)
- proDAD Adorage Volume 9（パーティクル、オブジェクト効果）
- NewBlue Titler Pro 5 （2D、3D タイトル作成）

バージョン履歴

- VideoStudio 8～12: 通常版発売後、上位版「VideoStudio Plus」を発売。
- VideoStudio X3～X9: 通常版「Pro」、上位版「Ultimate」を同時発売。
- VideoStudio X10以降: 「Pro」を削除した通常版と、Blu-rayプラグインなどを同梱した「Suite」の4種類展開。
- VideoSutdio 2020: Suite廃止。

歴史

元々はユーリード社が開発・販売していましたが、2007年にコーレル社に買収されました。2019年以降、ソースネクスト社が日本でのコンシューマ向け独占販売権を取得し、量販店での販売とサポートを行っています。法人向け販売、ライセンスはコーレル社が継続して行っています。

マニュアル

マニュアルは電子化とヘルプシステムが主流になっています。オンラインチュートリアル動画も提供されています。

Blu-rayオーサリング

BDMVのBlu-rayライティングプラグインは、ソフトウェア内で購入できます。VideoStudioとMyDVDでBlu-rayオーサリングが可能です。Ver.X9以降はVideoStudio画面上からの購入が必要です。

連携できるソフトウェア

- Paint Shop Pro: 写真加工ソフト。レイヤーを保持したままVideoStudioで読み込み、各オーバーレイトラックに振り分け可能。
- MotionStudio 3D: 3Dタイトル、オブジェクト作成ソフト。透過AVIまたはプロジェクトファイルをVideoStudioに入力可能。
- PhotoImpact: 写真加工ソフト。VideoStudioのDVDメニュー作成が可能（VideoStudio12まで対応）。

外部リンク

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