Pinnacle Studio
Pinnacle Studioは、コーレル株式会社が販売するノンリニア動画編集ソフトウェアです。WindowsとiOS（iPhone、iPad）に対応しています。元々はAvid TechnologyのPinnacle Systems部門が開発していましたが、現在はコーレル株式会社が引き継いでいます。
Pinnacle Studioは、プロ向けのPinnacle Liquid Edition（現在はAvid Liquid）の一般ユーザー版として開発されました。VOB ComputersystemeのInstant CD/DVDの機能も継承しており、ビデオコンテンツの編集、ビデオCD/DVD/Blu-rayの作成を1つのソフトウェアで完結できます。
コーレル株式会社が提供する他の動画編集ソフトVideoStudioとの互換性はありませんが、追加される新機能は類似する傾向があります（マルチカム編集、モーショントラッキングなど）。また、付属ソフトウェア（PC画面録画用ソフトMulticam Capture Lite）が共通していることもありますが、フィルターや各素材にはあまり共通点が見られません。
動画・画像の角度調整を0.1度単位で細かく行える点（VideoStudioは1度単位）、レンダリングキューに登録して連続レンダリングできる点などから、より高度な編集を求めるユーザー向けの製品として位置づけられています。
Pinnacle Studio 25までは日本語版が提供されていましたが、2022年9月以降にリリースされた最新版Pinnacle Studio 26では日本語ページがなく、対応言語からも日本語が削除されています。
Pinnacle SystemsがドイツのFAST Multimadiaを買収した際、FAST Multimediaの編集ソフトをPinnacle Liquidとして発売しました。そのプロ用ソフトウェアの開発コードを一般ユーザー向けに組み込んだのがPinnacle Studioの始まりです。2012年7月にAvidに買収された後、Pinnacle Studio部門のみがコーレル株式会社に買収されました。
Pinnacle Studioは、バージョン9まではStudioとStudio Plusの2つのエディションで販売されていました。Plusには、2つのビデオトラックの扱いやオーバーレイ、ピクチャ・イン・ピクチャなどの機能が追加されていました。
Studio 10とStudio 10 Plusは2005年8月17日にリリースされました。Studio 9のユーザーインターフェースを維持しつつ、コードベースはLiquid Edition（現在のAvid Liquid）のものが採用されました。PAL、NTSC、4:3画像、16:9画像を1つのタイムラインで混在でき、フル解像度でのリアルタイムプレビューが可能になりました。標準版はStudio 9よりも機能が削減されていますが、Studio 10 PlusはHDV編集などの強化がなされました。バージョン10.7ではHDVをDVDに記録でき、東芝製HD DVDプレーヤーでの再生にも対応しました。10.8ではWindows Vistaに対応しています。
2007年6月にはStudio 11がリリースされ、3つのエディション（Studio、Studio Plus、Studio Ultimate）になりました。いずれもWindows Vistaに対応し、自由な拡大縮小が可能なインターフェースを採用し、ScorefitterというMIDIベースの音楽自動制作機能が新たに追加されました。Studio 11 Plusは、HDVとAVCHDのネイティブ編集をサポートし、HD DVD仕様のビデオをDVDに録画できました。11.1.1では、AVCHDも標準DVDに録画できるようになりました。Pinnacle Studio Ultimateは最上位製品として、Dolby 5.1チャンネルのサラウンド音声、高精細なパンとズーム、各種エフェクト、グリーンスクリーンによるクロマキー合成機能などを搭載しました。
Studio 12は2008年6月にリリースされました。再生中にマーカーを置く機能、オーディオ制御の改良、プリセットテンプレートに従った複数映像の合成機能などが追加されました。YouTubeに直接アップロードする機能も追加されました。PlusとUltimateではBlu-ray Discへの録画にも対応しました。
Studio 17はコーレルに買収されてから最初のバージョンで、3つのエディションがあります。Studio 17は映像3トラック、音声3トラック、Studio 17 Plusは映像12トラック、音声12トラック、Studio 17 Ultimateはトラック数無制限でBlu-rayオーサリング機能、Red GiantのFilmmaker's ToolkitとMotion Graphics Toolkitなどが搭載されています。
Studio 20は2017年1月にリリースされました。「マルチカメラビデオエディタ」によるマルチカム編集が可能になり（標準版は2つ、Plusは4つ、Ultimateは6つの映像を音声や時間で同期してカット編集）、ストップモーションアニメーション機能、Plusではモーショントラッキング機能、タイムラインの透明度設定、Ultimateではモザイク付きモーショントラッキングや360度映像への対応も行われています。
Studio 21は2017年8月にリリースされました。UIが刷新され、MotionStudio 3Dのエンジンを使った「モーション3Dタイトル」に対応しました。上位版のPlusとUltimateでは、分割画面ビデオと広角レンズ補正、XAVS S形式に対応。Ultimateのみ「モーフィングトランジション」「360度カメラの映像」に対応しました。
Studio 22は2018年8月に、Studio 24は2020年8月に、Studio 25は2021年8月にリリースされました。
かつて販売されていたビデオキャプチャ用ハードウェアで、Pinnacle Studioが同梱されていました。機能を限定した廉価版のPinnacle Studio QuickStartが、Dazzle（USBキャプチャデバイス）やPinnacle PCTVに同梱されていましたが、Studio 12でQuickStart版は廃止されました。Dazzle Video Creator Platinumには通常版のStudioが同梱され、PCTVには後述するVideoSpinが同梱されていました。（現在、日本では入手困難です）
2007年後半、PinnacleはStudioからいくつかの機能を削除したノンリニア動画編集ソフトVideoSpinを無料ダウンロード可能な形でリリースしました。現在は公式サイトからの入手はできません。ストーリーボード機能、ビデオキャプチャ機能、ツールボックス、音楽自動生成、DVD制作などの機能が削除されています。VideoSpinで作成したプロジェクトはPinnacle Studio 11でも編集できますが、逆にStudioで編集したものをVideoSpinに戻すことはできません。追加コーデックパックを購入すればMPEG-2、MPEG-4、DivXが使えるようになります（インストール後15日間は試用可能）。
公式サイト
概要
Pinnacle Studioは、プロ向けのPinnacle Liquid Edition（現在はAvid Liquid）の一般ユーザー版として開発されました。VOB ComputersystemeのInstant CD/DVDの機能も継承しており、ビデオコンテンツの編集、ビデオCD/DVD/Blu-rayの作成を1つのソフトウェアで完結できます。
コーレル株式会社が提供する他の動画編集ソフトVideoStudioとの互換性はありませんが、追加される新機能は類似する傾向があります（マルチカム編集、モーショントラッキングなど）。また、付属ソフトウェア（PC画面録画用ソフトMulticam Capture Lite）が共通していることもありますが、フィルターや各素材にはあまり共通点が見られません。
動画・画像の角度調整を0.1度単位で細かく行える点（VideoStudioは1度単位）、レンダリングキューに登録して連続レンダリングできる点などから、より高度な編集を求めるユーザー向けの製品として位置づけられています。
Pinnacle Studio 25までは日本語版が提供されていましたが、2022年9月以降にリリースされた最新版Pinnacle Studio 26では日本語ページがなく、対応言語からも日本語が削除されています。
歴史
Pinnacle SystemsがドイツのFAST Multimadiaを買収した際、FAST Multimediaの編集ソフトをPinnacle Liquidとして発売しました。そのプロ用ソフトウェアの開発コードを一般ユーザー向けに組み込んだのがPinnacle Studioの始まりです。2012年7月にAvidに買収された後、Pinnacle Studio部門のみがコーレル株式会社に買収されました。
Pinnacle Studioは、バージョン9まではStudioとStudio Plusの2つのエディションで販売されていました。Plusには、2つのビデオトラックの扱いやオーバーレイ、ピクチャ・イン・ピクチャなどの機能が追加されていました。
Studio 10とStudio 10 Plusは2005年8月17日にリリースされました。Studio 9のユーザーインターフェースを維持しつつ、コードベースはLiquid Edition（現在のAvid Liquid）のものが採用されました。PAL、NTSC、4:3画像、16:9画像を1つのタイムラインで混在でき、フル解像度でのリアルタイムプレビューが可能になりました。標準版はStudio 9よりも機能が削減されていますが、Studio 10 PlusはHDV編集などの強化がなされました。バージョン10.7ではHDVをDVDに記録でき、東芝製HD DVDプレーヤーでの再生にも対応しました。10.8ではWindows Vistaに対応しています。
2007年6月にはStudio 11がリリースされ、3つのエディション（Studio、Studio Plus、Studio Ultimate）になりました。いずれもWindows Vistaに対応し、自由な拡大縮小が可能なインターフェースを採用し、ScorefitterというMIDIベースの音楽自動制作機能が新たに追加されました。Studio 11 Plusは、HDVとAVCHDのネイティブ編集をサポートし、HD DVD仕様のビデオをDVDに録画できました。11.1.1では、AVCHDも標準DVDに録画できるようになりました。Pinnacle Studio Ultimateは最上位製品として、Dolby 5.1チャンネルのサラウンド音声、高精細なパンとズーム、各種エフェクト、グリーンスクリーンによるクロマキー合成機能などを搭載しました。
Studio 12は2008年6月にリリースされました。再生中にマーカーを置く機能、オーディオ制御の改良、プリセットテンプレートに従った複数映像の合成機能などが追加されました。YouTubeに直接アップロードする機能も追加されました。PlusとUltimateではBlu-ray Discへの録画にも対応しました。
Studio 17はコーレルに買収されてから最初のバージョンで、3つのエディションがあります。Studio 17は映像3トラック、音声3トラック、Studio 17 Plusは映像12トラック、音声12トラック、Studio 17 Ultimateはトラック数無制限でBlu-rayオーサリング機能、Red GiantのFilmmaker's ToolkitとMotion Graphics Toolkitなどが搭載されています。
Studio 20は2017年1月にリリースされました。「マルチカメラビデオエディタ」によるマルチカム編集が可能になり（標準版は2つ、Plusは4つ、Ultimateは6つの映像を音声や時間で同期してカット編集）、ストップモーションアニメーション機能、Plusではモーショントラッキング機能、タイムラインの透明度設定、Ultimateではモザイク付きモーショントラッキングや360度映像への対応も行われています。
Studio 21は2017年8月にリリースされました。UIが刷新され、MotionStudio 3Dのエンジンを使った「モーション3Dタイトル」に対応しました。上位版のPlusとUltimateでは、分割画面ビデオと広角レンズ補正、XAVS S形式に対応。Ultimateのみ「モーフィングトランジション」「360度カメラの映像」に対応しました。
Studio 22は2018年8月に、Studio 24は2020年8月に、Studio 25は2021年8月にリリースされました。
過去の製品
Studio Moviebox
かつて販売されていたビデオキャプチャ用ハードウェアで、Pinnacle Studioが同梱されていました。機能を限定した廉価版のPinnacle Studio QuickStartが、Dazzle（USBキャプチャデバイス）やPinnacle PCTVに同梱されていましたが、Studio 12でQuickStart版は廃止されました。Dazzle Video Creator Platinumには通常版のStudioが同梱され、PCTVには後述するVideoSpinが同梱されていました。（現在、日本では入手困難です）
VideoSpin
2007年後半、PinnacleはStudioからいくつかの機能を削除したノンリニア動画編集ソフトVideoSpinを無料ダウンロード可能な形でリリースしました。現在は公式サイトからの入手はできません。ストーリーボード機能、ビデオキャプチャ機能、ツールボックス、音楽自動生成、DVD制作などの機能が削除されています。VideoSpinで作成したプロジェクトはPinnacle Studio 11でも編集できますが、逆にStudioで編集したものをVideoSpinに戻すことはできません。追加コーデックパックを購入すればMPEG-2、MPEG-4、DivXが使えるようになります（インストール後15日間は試用可能）。
脚注
外部リンク
公式サイト
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。