Vincent Atmicus

Vincent Atmicus（ヴィンセント・アトミクス）

概要

Vincent Atmicusは、芳垣安洋をリーダーとして1990年代末に活動を開始した日本の音楽グループです。このグループは、ツイン・ドラム、ツイン・ヴァイオリン、ツイントロンボーンに加え、コントラバスやヴィブラフォン、マリンバといった多彩な楽器を使用した独特の音楽スタイルが特徴です。彼らは、ポリリズムや多国籍なビートを組み合わせたアンサンブルで知られており、ジャズ、ロック、現代音楽、民族音楽といった幅広いジャンルを融合させながら活動を展開しています。

来歴

Vincent Atmicusは、1999年に芳垣がリーダーとしてプロジェクトを始動したことからスタートしました。2002年11月には、ファーストアルバム『Vincent I』をEast Works Entertainmentからリリースし、その後2004年にはセカンドアルバム『Vincent II』を発売しました。『Vincent II』は、「他にない独自の響き」とされ、自由さと構築性を併せ持つという評価を得ました。その後、2005年にはサードアルバム『Vincent III』をリリースし、その年の新宿PIT INNでのレコ発公演は満席となるなど、ライヴの場でも強い支持を受けました。

また、このグループは日英併記の年刊誌『Improvised Music from Japan 2002–2003』に特集され、インタビューやコンサート記録が掲載されるなど、メディアでも注目を浴びました。2010年代以降も活動を続けており、ライヴ活動の記録も残されています。

音楽性

Vincent Atmicusの音楽は、独特の楽器編成と複雑なリズムに支えられています。ツインドラムとツインヴァイオリン、ツイントロンボーンというユニークな組み合わせは、彼らの音楽に深みを与えています。演奏スタイルでは、反復とズレを取り入れたポリリズムや奇数拍子、即興演奏が特徴で、聴く者に新たな音の体験を提供します。彼らのスタイルは「無国籍」や「ボーダレス」と表現されることが多く、特定のジャンルにとらわれない自由な音楽性を体現しています。

メンバー

Vincent Atmicusの主要メンバーは以下の通りです：

• - 芳垣安洋 - ドラムス、パーカッション、ヴォーカル（リーダー）
• - 岡部洋一 - ドラムス、パーカッション
• - 勝井祐二 - ヴァイオリン、エフェクト
• - 太田恵資 - ヴァイオリン、ヴォイス
• - 青木タイセイ - トロンボーン、ピアニカ、オルガンほか
• - 松本治 - トロンボーン
• - 水谷浩章 - コントラバス／ベース
• - 高良久美子 - ヴィブラフォン、マリンバ、パーカッション

また、参加歴のあるメンバーには、菊地成孔が1stアルバム『Vincent I』の期間中にサックスで参加しています。

反響

セカンドアルバム『Vincent II』は特に評価が高く、「類例のない独特のサウンド」と「自由度と緻密さが共存する」との評価を英語レビューサイトで受けました。彼らの音楽は、多様な音楽ファンからの支持を受け続けています。

参考文献

『Improvised Music from Japan 2002–2003』では、芳垣安洋のインタビューやグループの活動に関する情報が掲載されています。この本は、Vincent Atmicusを深く知るための重要な資料の一つです。

関連項目

• - 芳垣安洋
• - ROVO
• - 大友良英ニュー・ジャズ・オーケストラ（ONJO/ONJQ）
• - DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN（DCPRG）

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