Vodafone 804N

Vodafone 804N/SoftBank 804N：音楽再生に特化した3G携帯電話

NECが製造し、ソフトバンクモバイルが販売したW-CDMA方式の3G携帯電話、Vodafone 804N/SoftBank 804Nは、音楽再生機能を強化したモデルとして注目を集めました。背面に配置されたミュージックキーは、音楽の再生や停止、曲の切り替えなどを容易に行える設計で、快適な音楽体験を提供しました。

ハードウェアとソフトウェア

この端末の大きな特徴は、当時としては大容量の450MBメモリを搭載していた点です。多くの楽曲やデータを保存でき、音楽プレーヤーとしての機能性を高めていました。外部メモリにはmicroSDメモリカードに対応しており、さらに大容量の音楽ファイルなどを保存することが可能でした。

ソフトウェア面では、国際ローミングに対応していた点が特筆すべき点です。NEC製のVodafone端末では、V-N701以来となる国際ローミング対応機種で、海外旅行時にも利用できる利便性を提供しました。ただし、発売後にはソフトウェアのバグが発見され、一時販売停止となる事態が発生しました。このバグは、特定の条件下で保存データが消去されるというもので、特に電話帳データの消失が報告されていました。ソフトバンクモバイルは、この問題を修正した上で販売を再開しました。

音楽携帯としての魅力

Vodafone 804N/SoftBank 804Nは、ミュージックキーによる直感的な操作性と大容量メモリによる豊富な音楽保存能力を備えており、音楽を愛するユーザーにとって魅力的な端末でした。背面に配置されたミュージックキーは、片手で操作できるよう考慮されており、音楽再生を妨げることなく、着信やその他の操作も行えました。

発売と販売地域

Vodafone 804Nは関東と甲信地方で2004年4月22日に発売されました。SoftBank 804Nは同年11月3日に発売開始されました。発売当初は高い人気を博しましたが、後に発生したソフトウェアのバグは、ユーザーにとって大きな問題となりました。しかし、この問題は修正され、その後も一定数のユーザーに利用され続けました。

まとめ

Vodafone 804N/SoftBank 804Nは、大容量メモリとミュージックキーを備えた音楽再生に特化した3G携帯電話として、当時一定の評価を得ていました。国際ローミングへの対応も、利便性を高める要素でした。ただし、ソフトウェアのバグによるデータ消失問題が発生したことは、製品の信頼性を損ねる大きな要因となりました。この機種は、携帯電話における音楽再生機能の進化と、ソフトウェア品質管理の重要性を改めて示す事例と言えるでしょう。

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