Vox (スペインの政党)

VOX：スペインの台頭する極右政党

概要

VOX（ボックス）は、スペインにおける極右政党です。党名はラテン語で「声」を意味するVoxに由来し、2013年12月、国民党(PP)の元党員らによって設立されました。党首はサンティアゴ・アバスカルです。近年、急速な支持拡大を見せており、スペイン政治に大きな影響を与えています。

歴史

VOXの躍進は目覚ましいものがあります。2018年のアンダルシア州議会選挙では、得票率10.97％で12議席を獲得。フランコ体制崩壊後のスペインで、極右政党が議席を獲得したのはこれが初めてでした。

続く2019年4月のスペイン議会総選挙では、得票率10.26％で24議席を獲得し、初めて国会進出を果たしました。同年11月の再選挙では、得票数を大幅に伸ばし52議席を獲得、第3党に躍進しました。

この急成長の背景には、スペイン社会における様々な不満や不安が反映されています。国民の間に広がる移民問題への懸念、カタルーニャ独立運動への反発、伝統的価値観の喪失への危機感などが、VOXへの支持を後押ししたと考えられます。

しかし、VOXは物議を醸す言動でも知られています。2019年には、党の公式TwitterアカウントがLGBTを敵対勢力として表現する画像を投稿し、批判を浴びました。この画像は映画『ロード・オブ・ザ・リング』からの無断転用であり、ワーナー・ブラザースからも警告を受けています。

政策

VOXの政策は、保守的でナショナリスト的な色彩が強く、移民制限やカタルーニャ独立反対を明確に掲げています。

具体的には、不法移民の受け入れ拒否、カタルーニャ州の自治権剥奪、カタルーニャ州首相の逮捕、同性婚の廃止などを訴えています。また、保護貿易の重視や、農村部や闘牛などの伝統的文化の活性化も政策目標として掲げています。

これらの政策は、伝統的な価値観を重視する層からの支持を集めていますが、人権や多様性を重視する層からは強い反発を受けています。

選挙結果

VOXは、近年、スペインの政治地図を大きく塗り替えました。地方選挙、総選挙で議席を獲得し、主要政党の一つとして存在感を示しています。今後の動向が注目されます。

しかし、選挙結果の推移、欧州議会選挙での動向、各地方での支持率など、より詳細な情報については、選挙管理委員会等の公式発表を参照する必要があります。

まとめ

VOXは、スペイン社会における複雑な政治情勢を反映する政党です。その急速な台頭は、スペイン社会が抱える課題、そしてヨーロッパにおける右派勢力の台頭を象徴する出来事と言えるでしょう。今後のスペイン政治におけるVOXの役割は、ますます重要になっていくと考えられます。

もう一度検索