W47 (核弾頭)

W47核弾頭の概要

W47は、アメリカ合衆国で開発された熱核弾頭の一種であり、主にアメリカ海軍のポラリス A-1およびA-2型潜水艦から発射される弾道ミサイル（SLBM）に搭載されていました。この核弾頭は、1950年代の後半から設計と開発が始まり、1960年には緊急運用能力を持つEC-47として初めて300発が生産されました。

その後、1960年から1974年にかけてW47としてさらに1,060発が製造されましたが、製品には多くの不具合が見つかり、いくつかの改良が施され、再生産も行われました。最終的には、配備期間中に実戦配備されたのは300発あまりにとどまりました。1964年以降、ポラリスミサイルは多弾頭化され、核弾頭もW58に移行することになりますが、W47はその設計の重要な部分を担いました。

仕様

W47の物理的なサイズは直径が約18インチ、長さが46.6インチ、重さは717ポンドから733ポンド程度です。核出力は、Y1型が600キロトン、Y2型が1.2メガトンという高出力を誇ります。ポラリス A-1およびA-2は単弾頭ミサイルで、Mk.1再突入体に1基のW47が搭載される形になっています。

試験と運用

この核弾頭の重要性は、1962年5月6日に実施されたドミニク作戦においても示されています。この作戦では、アメリカの原子力潜水艦「イーサン・アレン」（SSBN-60）からW47を搭載したミサイルが発射され、ジョンストン島に着弾。600キロトンの核出力を記録することとなりました。この実射試験は、W47の有効性を確認する重要なものでありました。

結論

W47は、その革新的な設計と技術のおかげで、アメリカの核抑止力の一翼を担いました。しかしながら、様々な不具合により多くの改修が必要とされ、また、新型弾頭への移行により、運用される時期は限られました。それにも関わらず、W47は冷戦時代の核兵器技術の発展において、非常に重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

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