W68 (核弾頭)

W68核弾頭の概要

W68は、アメリカ合衆国が運用していた核弾頭の一つであり、主に1960年代後半にローレンス・リバモア国立研究所で開発されました。この弾頭は核融合技術を基にしたもので、アメリカ海軍のポセイドン C-3潜水艦発射弾道ミサイル用に設計されています。

開発と仕様

W68は、MIRV（Multiple Independently targetable Reentry Vehicle）用に適応された弾頭で、Mk3再突入体に取り付けられます。この再突入体は、ポセイドン潜水艦に最大14基の弾頭を搭載できる設計ですが、運用上は通常10基の弾頭を搭載することが一般的でした。

詳細なサイズについては公表されていないものの、Mk3再突入体のペイロードを考慮すると、W68の直径は65インチ以下であると考えられています。重量は367ポンド（約166キログラム）で、核出力は40から50キロトンの範囲に設定されています。これは、当時の核兵器としては非常に強力な部類に入ります。

生産と運用

W68は1970年6月から1975年6月にかけて5,250発が生産され、これはアメリカの核兵器体系の中で最も多くの数量を誇ります。信管には触発および空中爆発が用意されており、使用する状況に応じて柔軟に対応できる特性を持っています。

しかしながら、W68のプライマリ起爆用に使用されるLX-09 PBX爆薬に関しては、経年劣化が懸念されるようになり、安全性に問題が生じました。その結果、1977年から2,000発のW68が退役を開始しました。残りの弾頭については、1978年から1983年の間に改良作業が行われ、1991年まで使用され続けました。

まとめ

W68は、アメリカの核戦力において重要な位置を占めていた核融合弾頭であり、冷戦時代の戦略核兵器の一環でした。彼の豊かな歴史と変遷は、アメリカの防衛政策や国際的な軍事バランスの変化にも密接に関連しています。

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