WALKIN' (高中正義のアルバム)

高中正義『WALKIN'』

『WALKIN'』（ウォーキン）は、日本のギタリスト、高中正義が1999年7月23日にリリースした24枚目のオリジナルアルバムです。このアルバムは、彼のキャリアにおいていくつかの重要な意味を持っています。

解説

前作『Bahama』から1年ぶりのオリジナルアルバムであり、高中正義のオリジナルアルバムとしては初めて、シングル曲が1曲も収録されていない作品となりました。これは、アルバム全体を通して彼の音楽性をより深く追求しようとする意図の表れと言えるでしょう。

また、このアルバムは、高中正義が東芝EMIからリリースした最後のアルバムとなりました。翌2000年には、自身のプライベートレーベルであるLagoon Recordsに移籍し、新たな音楽活動をスタートさせています。

批評

音楽雑誌『CDジャーナル』は、このアルバムを「次々と繰り出される高中の職人芸にノセられて一気に聴いてしまった。ギター・インストの魅力をもう一度、世間に広く知らしめたいものだ。」と評しました。この評価は、高中正義のギターテクニックと、インストゥルメンタル音楽の魅力を改めて認識させるものとなっています。

収録曲

1. DO IT
2. 泣かないで
3. interlude
4. マイムマイム
5. BALLAD2.15
6. まいちゃん
7. Remix“B”
8. 蝉時雨
9. 夏のギター
10. GUITAR CANYON
11. 獅子座流星群
12. SYMPHONY NO9“GOIN' HOME”

楽曲解説

DO IT：

泣かないで：1999年に本木雅弘と岸田今日子がNHKの『みんなのうた』で発表した楽曲のセルフカバーです。高中の新たな解釈が加えられています。

マイムマイム：イスラエルの作曲家、イマヌエル・プガチョフ・アミランが1937年に発表した楽曲のカバー。意外な選曲ながらも、高中のアレンジによって新たな魅力が引き出されています。

獅子座流星群：前年に逝去したギタリスト、大村憲司に捧げられた楽曲です。タイトルは、大村が息を引き取った夜に獅子座流星群が極大を迎えたことに由来します。その夜には、観測史上最大の火球が流れた日でもありました。高中の哀悼の意が込められた、感動的な一曲です。

SYMPHONY NO9“GOIN' HOME”：チェコの作曲家、アントニン・ドヴォルザークが1893年に発表したクラシック楽曲のカバー。原曲の壮大さを残しつつ、高中のギターが美しい旋律を奏でています。

参加ミュージシャン

Programming：高中正義
* Guitars：高中正義

高中正義自身がプログラミングとギターを担当し、彼の音楽的な才能が存分に発揮されたアルバムとなっています。

まとめ

『WALKIN'』は、高中正義の音楽的な多様性と、常に新しいことに挑戦する姿勢を示す作品です。シングル曲がないという点や、東芝EMIからの最後のリリースという背景からも、彼のキャリアにおける重要な転換期を象徴するアルバムと言えるでしょう。インストゥルメンタル音楽の魅力を再発見できる、聴きごたえのある一枚です。

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