WAO!

UNICORN 復活の狼煙「WAO!」

日本のロックバンド、UNICORNが2009年にリリースしたシングル「WAO!」。1993年の解散から16年、Sony RecordsからKi/oon Recordsへ移籍後初の作品として、大きな注目を集めました。作詞作曲は阿部義晴が担当。アルバム『シャンブル』からの先行シングルとして、コカ・コーラ社「アクエリアス」のCMソングにも起用され、オリコンシングルチャート3位、Billboard Japan Hot 100で1位を獲得しました。

制作の背景

UNICORNは1987年にメジャーデビュー後、「働く男」などのヒット曲を生み出しました。しかし、7枚目のアルバム制作中にメンバー間の確執が表面化。ドラムスの川西幸一の脱退後、1993年に解散を発表しました。

2006年、阿部義晴がイベントで奥田民生と共演。2007年にはスタッフの結婚披露宴で、川西を除くメンバーが集結し演奏を披露。これを機に、新曲制作の話が持ち上がり、2008年にレコーディングが開始されました。

楽曲について

「WAO!」は、当初アルバムに収録される予定でしたが、阿部がメインボーカルを担当したため、シングルとしてリリースされることになりました。奥田以外のメンバーがボーカルを担当した初のシングル曲です。

阿部は、UNICORN復活にふさわしい楽曲として制作。曲中の「ワオ!」という叫び声にこだわり、何度もレコーディングを重ねたそうです。手島いさむのライトハンド奏法や、奥田がカウベルを担当している点も、バンドらしい遊び心が感じられると語っています。

リリースとプロモーション

2008年12月、東京スポーツがUNICORNの再結成を報道。2009年1月1日には公式サイトが開設され、再始動が正式に発表されました。「WAO!」は、2月4日にマキシシングルとしてリリース。初回限定盤には、アルバムのレコーディング風景などを収録したDVDが付属しました。

ミュージックビデオ

ミュージックビデオの監督は、過去のUNICORN作品も手掛けた板屋宏幸。当初、壮大なイメージのビデオを検討していましたが、奥田の「もっと楽曲よりのアイデアが欲しい」という要望を受け、急遽変更。ジミ・ヘンドリックスや横山やすしのコスプレをメンバーが披露する、ユーモア溢れる内容となりました。奥田が演奏する巨大なカウベルは、スタッフがダンボールと厚紙で制作した手作りです。

歌詞に登場する「愛のキーワード1173」は「いい波」を表しており、ライブでは阿部が指で「1173」のサインを示すパフォーマンスが定番となっています。

批評

音楽情報サイト『CDジャーナル』は、「メンバーの変わらぬ遊び心とそれぞれがソロ活動で手に入れた音楽的完成度が、高いポイントで結実している」と評価。ライターの齋藤奈緒子は、阿部のプロデューサーとしての手腕や、手島のライトハンド奏法を称賛しています。

「WAO!」は、UNICORNの再結成を象徴する、遊び心と音楽的完成度が融合した楽曲です。彼らの新たなスタートを飾るにふさわしい、エネルギッシュでユーモアに満ちた作品として、多くのファンに愛されています。

シングル収録曲

1. WAO!
2. - (インストゥルメンタル)

初回特典DVD

MOVIE11「バンドやろうぜ 〜 アルバム"シャンブル"ができるまで Part I」

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