WAVE (企業)

株式会社WAVEの歴史と影響

株式会社WAVEは、1977年に設立された日本の企業で、主に音楽や映像関連のソフトを販売する店舗「WAVE」を運営していました。この企業は、堤清二が率いるセゾングループの一員として生まれたもので、当初は株式会社ディスクポート西武という名称でした。さらに、パルコの子会社として位置づけられていました。

六本木WAVEの誕生

1983年には、六本木に「六本木WAVE」を開店させ、その1棟全体が多様な文化を発信する拠点として機能しました。ここは文化人や音楽家からも支持され、単なる販売店にとどまることなく、音楽やアートに関するイベントや展示が頻繁に行われました。具体的には、地下には「シネ・ヴィヴァン・六本木」と呼ばれるミニシアターも併設されており、映画鑑賞だけでなく、現代アートを楽しむ場としても知られていました。しかし、六本木地区の再開発により、1999年12月25日に閉店を余儀なくされ、その後その跡地は六本木ヒルズメトロハットへと生まれ変わりました。

音楽シーンへの貢献

WAVEは、特に「渋谷系」と呼ばれる音楽スタイルの流行の先駆けとして、自らが運営したCDショップの一環で非常に重要な役割を果たしました。WAVEの成功は他企業にも多大な影響を与え、ダイエーが渋谷公園通りに「CSV渋谷」をオープンするきっかけにもなりました。また、セゾングループ内の書店チェーン「リブロ」とも密接な関係を築いており、パルコ系列の店舗で共に活動していました。

経営の変遷

その後、セゾングループが解体されるに伴い、2004年にWAVEは親会社のパルコから同業他社のタワーレコードへ売却されました。この流れはWAVEに新たな影響を与えましたが、2006年には家電量販店のノジマに買収され、さらなる再構築が図られました。2008年にはメディアマーケティングシステム株式会社に売却された後も、アーティストイベントや新規事業に挑戦しましたが、次々と厳しい状況に直面しました。特に、家族向けのキャンドルクラフト事業やスイーツ事業は想定通りの成果には至らず、撤退を余儀なくされました。

終焉とその後

2011年初旬時点で、WAVEは全国で20数店舗を展開していましたが、この年の中頃には店舗数が急激に減少しました。最終的には、全店舗が閉店し、8月には自己破産の申請に向けた準備が始まりました。そして、11月2日には東京地方裁判所に自己破産の申し立てが行われ、同月9日には破産手続きが開始されました。

新生WAVEプロジェクト

とはいえ、WAVEの歴史はここで終わるわけではありません。2019年にはパルコが推進する「新生WAVEプロジェクト」がスタートしました。これは音楽やファッションなど、多様な文化を融合させた新しい取り組みです。2019年11月22日には、渋谷パルコ内に新たな店舗がオープンし、レコードや関連商品の販売が行われるようになりました。これにより、WAVEは再び音楽文化の舞台に立ち寄ることができました。

まとめ

WAVEは、日本の音楽シーンと文化に大きな影響を与えた重要な企業の一つでした。その歩みには多くの挑戦と変遷があったものの、今後の新たな展開に期待が寄せられています。

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