WCWマンデー・ナイトロ

WCWマンデー・ナイトロとは：激戦の歴史と終焉

『WCWマンデー・ナイトロ』は、1995年9月4日から2001年3月26日まで、アメリカのケーブルテレビ局TNTで毎週月曜夜に放送されたプロレス番組です。当時、テッド・ターナーが所有していたWCW（ワールド・チャンピオンシップ・レスリング）が制作し、エリック・ビショフが陣頭指揮を執りました。

WWFとの激しい視聴率戦争

ナイトロは、ライバル団体であるWWF（現WWE）の看板番組「マンデーナイトRAW」（現RAW）に対抗するために企画されました。その番組タイトルからも、明確な対抗意識が伺えます。1996年半ばには、WCW対nWo（ニュー・ワールド・オーダー）というストーリーラインが爆発的な人気を博し、視聴率でRAWを1998年4月13日まで84週連続で上回るという記録を打ち立てました。1997年には、スポーツ番組の中で最も高い視聴率を獲得した週が16週もあったほどです。

しかし、WWFが「アティテュード時代」と呼ばれる過激な路線に転換すると、形勢は逆転します。1999年以降、ナイトロは一度もRAWの視聴率を上回ることができず、2001年にWCWがWWFに買収されたことで、番組は幕を閉じることになりました。

初期の成功：nWoの結成

ナイトロの登場によって、月曜夜のプロレス番組の視聴率争いは激化し、後にプロレスファンから「マンデー・ナイト・ウォーズ」と呼ばれるようになりました。WCWは、ランディ・サベージやハルク・ホーガンといったスター選手を次々と獲得。特に、WWFからスコット・ホールとケビン・ナッシュを引き抜き、さらに元WWFのホーガン（後に「ハリウッド・ホーガン」と改名）を加えて、反WCWのヒールユニット「nWo」を結成したことで、ナイトロの人気は不動のものとなりました。

WWFの逆襲とナイトロの苦境

WWFが「アティテュード路線」に舵を切る一方で、ナイトロは旧態依然としたストーリー展開を続けました。クリス・ジェリコ、レイ・ミステリオ・ジュニア、エディ・ゲレロといった若手レスラーがなかなかプッシュされず、ホーガンやナッシュを始めとするnWoのメンバーが常にメインイベントを飾っていました。nWoのメンバーはほとんど負けることがなく、チームは肥大化の一途をたどりました。この時期、希望の光となったのは、ゴールドバーグとダイヤモンド・ダラス・ペイジという新たなスターの出現でした。1998年7月6日には、アトランタのジョージア・ドームで行われたゴールドバーグ対ホーガンの試合が、11週間ぶりに視聴率でWWFを上回るという快挙を達成しました。

一方、RAWでは、WWFオーナーのビンス・マクマホンとストーン・コールド・スティーブ・オースチンとの抗争が大きな人気を集めていました。トリプルH率いるD-ジェネレーションX、マンカインド、ザ・ロックといった新しいレスラーもメインイベント級の扱いを受けるようになり、新たなファン層を開拓していきました。

迷走と終焉

RAWがコンスタントにナイトロを視聴率で上回るようになると、エリック・ビショフとWCW幹部は、状況を打開するために様々な策を講じました。元WWFのライターであったビンス・ルッソーとエド・フェラーラを迎え入れ、ストーリーラインを重視する路線に転換しましたが、これが状況をさらに悪化させました。ナイトロは新しいスターを育成することができず、WWFに後れを取る一方でした。

そして、2001年3月23日、WCWは長年のライバルであったWWFによって買収され、3日後の26日にフロリダ州パナマシティビーチで開催されたナイトロが最終回を迎えました。最終回は「Night of Champions」と銘打たれ、全ての王座が賭けられるという特別な内容でした。番組のラストでは、ビンス・マクマホンの息子であるシェイン・マクマホンが会場に現れ、父を出し抜いてWCWのオーナーになったことを宣言し、5年半の歴史に幕を下ろしました。

もう一度検索