WWEブレーキング・ポイント

WWEブレーキング・ポイント：サブミッションの闘技場

WWEブレーキング・ポイントは、アメリカのプロレス団体WWEが2009年に開催したペイパービューイベントです。この大会は、その名の通り、サブミッション技（関節技や絞め技など、相手をギブアップさせる技）を前面に押し出した、独特の興行として知られています。大会名はWWE Universe（WWEファンの総称）による投票によって決定されました。

WWEがこれまでに開催してきた数々のペイパービューイベントの中でも、ブレーキング・ポイントは、その革新的なコンセプトと、白熱した試合展開で多くのプロレスファンを魅了しました。通常の打撃やパワー重視の試合だけでなく、テクニックと精神力の勝負が問われるサブミッションに特化した試合は、プロレスの新たな側面を示すものとなりました。

2009年大会：モントリオールの激闘

2009年9月13日、カナダ・ケベック州モントリオールのセントレ・ベルで開催された第1回大会は、11,500人の観客を熱狂させました。Lynyrd Skynyrdの『Still Unbroken』が大会の公式テーマソングとして使用され、会場全体を力強いエネルギーで満たしました。

この大会では、様々なタイトルマッチが組まれ、トップ選手たちがその実力を存分に見せつけました。WWE王座戦では、ランディ・オートンとジョン・シナが「アイ・クイット」マッチ（相手がギブアップするまで試合を続ける形式）で激突。世界ヘビー級王座戦では、CMパンクがジ・アンダーテイカーとサブミッションマッチで対戦するなど、見どころ満載のカードが実現しました。

さらに、タッグ王座戦、アメリカ合衆国王座戦、ECW王座戦といったタイトルマッチも開催され、各タイトルに懸けた選手たちの激しい戦いが繰り広げられました。メインイベント以外でも、ケインとグレート・カリによるシンガポール・ケイン・マッチ（特殊な竹製の杖を使った試合）や、D-ジェネレーションXとレガシーによるサブミッション・カウント・エニウェア・マッチ（会場どこでもサブミッションが決まれば勝利となるルール）など、バラエティに富んだ試合が展開されました。

アンダーカードでは、エヴァン・ボーンとチャボ・ゲレロによるダークマッチ（本編前に非公式に行われる試合）も行われました。これらの試合も、大会全体の盛り上げに大きく貢献しました。

試合結果詳細

ダークマッチ: ○エヴァン・ボーン vs ●チャボ・ゲレロ
WWE統一タッグ王座戦: ○クリス・ジェリコ＆ビッグ・ショー (c) vs ●MVP＆マーク・ヘンリー
WWEアメリカ合衆国王座戦: ○コフィ・キングストン (c) vs ●ザ・ミズ
サブミッション・カウント・エニウェア・マッチ: ○レガシー (コーディ・ローデス＆テッド・デビアス) vs ●D-ジェネレーションX (トリプルH＆ショーン・マイケルズ)
シンガポール・ケイン・マッチ: ○ケイン vs ●グレート・カリ (w/ ランジン・シン)
ECW王座戦: ○クリスチャン (c) vs ●ウィリアム・リーガル (w/ ウラジミール・コズロフ＆エゼキエル・ジャクソン)
"アイ・クイット"マッチ形式WWE王座戦: ●ランディ・オートン (c) vs ○ジョン・シナ
サブミッションマッチ形式世界ヘビー級王座戦: ○CMパンク (c) vs ●ジ・アンダーテイカー

この大会は、サブミッションという独特のコンセプトによって、プロレスの新たな可能性を提示しただけでなく、数々の名勝負を生み出した、WWEの歴史における重要な大会の一つとして記憶されています。 多くのファンにとって、ブレーキング・ポイントは、忘れがたい興奮と感動を与えてくれたイベントとして、今も語り継がれていることでしょう。

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