WXIII 機動警察パトレイバー

『WXIII 機動警察パトレイバー』

『WXIII 機動警察パトレイバー』は、『機動警察パトレイバー』シリーズの第3弾として、2001年に製作された日本のアニメ映画です。この作品は、2002年3月30日に日本国内で公開され、同時上映には短編『ミニパト』が選ばれていました。タイトルの「WXIII」は、「廃棄物13号」という意味を含んでいます。

物語の概要

本作では、巨大な生物「廃棄物13号」を巡る陰謀と、それを追う二人の刑事、久住と秦の物語が描かれています。彼らは、目撃された怪物の襲撃事件を調査し、次第に研究者である岬冴子の隠された過去や禁じられた実験について知ることになります。そして、その背後には軍事的な意図も見え隠れしていることが明らかになります。

映画は、もともと1995年頃に企画が始まり当初はOVAシリーズとしての製作が予定されていました。しかし、最終的には劇場版として仕上げられ、従来のキャラクターからは離れて新たに創作された刑事たちが主人公となりました。

あらすじ

物語は2000年、東京湾での輸送機墜落事故から始まります。事故後、東京湾で不審なレイバーの襲撃事件が続発し、城南署の久住と秦は捜査に乗り出します。彼らは墜落した輸送機の貨物コンテナに不審な点があることを発見し、さらにはそこから巨大なハゼが釣れるとの情報も得ることになります。さらに、雨の降る日、ディスコクラブ「バビロン」で若者たちの惨殺体が発見されます。

その頃、「バビロン」と近接する水上コンテナ备蓄基地では不審な警報が鳴り、施設は暗闇に包まれます。偶然現場に居合わせた久住と秦は、警備員の通報を受けて現場に急行し、そこで彼らは「廃棄物13号」と名付けられた異形の怪物と直面します。

登場人物

この作品には、久住武史を演じる綿引勝彦をはじめとした魅力的なキャラクターたちが登場します。久住は経験ある中年の刑事で、秦真一郎は若い独身の刑事です。また、岬冴子は病死した娘への執着から禁断の実験を行っている研究者として描かれています。彼らの他にも、様々な背景を持ったキャラクターたちが物語に深みを与えています。

制作背景

制作には複雑な道のりがありました。劇場版に移行する際の計画変更や、各キャラクターの設定の見直し、そしてストーリーの展開に至るまで、多くの試行錯誤を経て完成に至りました。このような背景は、作品が持つ独特の世界観にも影響を与えており、観る者を引き込む要素となっています。

また、本作は怪獣映画としての要素も持ち合わせていて、そのために多くの技術的挑戦もなされており、特にCG技術を駆使した演出が光ります。作品中の怪物の細かい設定や描写は、クリエイターたちの強いこだわりを感じさせる一因となっています。

評価と反響

公開後、映画は様々な評価を受け、多くの映画祭で注目を集めましたが、作品自体が業界内での仕事に直接つながることはありませんでした。それでも、後の韓国映画『グエムル-漢江の怪物-』との類似点が指摘されるなど、文化的な影響を残す形となりました。

本作品は、アニメーションの進化やストーリー展開の可能性を示す一例とし、観る者に深い印象を与え続けています。

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