Web Services Description Language

Web Services Description Language (WSDL) について

Web Services Description Language (WSDL) は、Webサービスのインターフェースを記述するための言語です。SOAP (Simple Object Access Protocol) を用いたXML Webサービスにおいて、そのサービスの具体的な操作方法、必要なパラメータ、そして返されるデータの型などを定義します。WSDLは、これらの情報を機械可読な形式で提供することで、クライアントアプリケーションがサービスをどのように利用すれば良いかを理解できるようにします。

WSDLは、プログラミング言語におけるメソッドのシグネチャに似た役割を果たします。メソッドシグネチャがメソッドの名前、引数、戻り値の型を定義するのと同様に、WSDLはWebサービスが提供する操作（オペレーション）とその入出力情報を定義します。

WSDLの構造と要素

WSDLは、サービスをネットワーク上の「エンドポイント」または「ポート」の集合として記述します。

ポート（Port）: ネットワークアドレスに対応付けられた再利用可能な「バインディング」によって定義されます。
サービス（Service）: ポートの集合として定義されます。
メッセージ（Message）: 交換されるデータを抽象的に表現したものです。
ポートタイプ（PortType）: サポートされているオペレーションの抽象的な集団です。
バインディング（Binding）: 特定のポートタイプの具体的なプロトコルとデータ形式を定義します。オペレーションとメッセージを具体的なネットワークプロトコルとメッセージ形式に対応づけます。

WSDLは、これらの要素を組み合わせることで、Webサービスへの公開インターフェースを記述します。これにより、クライアントはWSDLファイルを参照するだけで、サービスが提供する操作やデータ形式を理解し、SOAPなどを介して実際にサービスを呼び出すことができます。

WSDLの利用

WSDLは通常、SOAPとXMLスキーマとともに利用され、インターネット上でWebサービスを公開するために使用されます。Webサービスに接続するクライアントアプリケーションは、WSDLファイルを読み込むことで、サーバでどのような操作が可能か、どのようなデータ型が使用されているかを把握できます。クライアントは、WSDLファイルに記述された操作の中から必要なものを選択し、SOAPプロトコルを使って呼び出すことができます。

WSDLのバージョン

WSDLにはいくつかのバージョンがあります。初期のバージョンであるWSDL 1.1はW3Cの勧告を受けていませんでしたが、現行のバージョンであるWSDL 2.0はW3Cの勧告となっています。WSDL 1.2 は WSDL 2.0 に名称変更されました。これは、WSDL 1.1 と本質的に異なるためです。

WSDL 2.0 では、全てのHTTPリクエストメソッド（GETやPOSTだけでなく）をサポートすることで、RESTfulなWebサービスのサポートが向上し、実装がより簡単になりました。

WSDLに関連する技術

SOAP (プロトコル): XMLベースのメッセージ交換プロトコルで、WSDLで定義されたWebサービスを呼び出すために使用されます。
Webサービス: ネットワークを介して提供されるソフトウェア機能です。
UDDI (Universal Description, Discovery, and Integration): Webサービスを公開・検索するためのレジストリです。
Extensible Markup Language (XML): データ構造を表現するためのマークアップ言語で、WSDLファイルで使用されます。
Web Services Interoperability (WS-I): Webサービス間の相互運用性を確保するための標準化団体です。

まとめ

WSDLは、Webサービスを開発・利用する上で不可欠な技術です。サービスが提供するインターフェースを明確に記述することで、クライアントアプリケーションの開発を容易にし、Webサービスの相互運用性を高める上で重要な役割を果たします。

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