UDDI

UDDI (Universal Description, Discovery and Integration)とは

UDDI（Universal Description, Discovery and Integration）は、Webサービスの検索と発見を目的としたシステムです。Webサービスの公開者（プロバイダ）は、自身の提供するサービスに関する情報をUDDIレジストリと呼ばれるデータベースに登録します。この情報には、サービスの内容、サービスへのアクセス方法（エンドポイント）、サービスを提供する組織や個人に関する詳細などが含まれます。

一方、Webサービスの利用者（コンシューマ）は、UDDIレジストリに対して検索を行い、自身のニーズに合致するWebサービスを探し出すことができます。これにより、利用者は、事前にサービスの存在を知らなくても、必要なサービスを動的に発見し、利用することが可能になります。

UDDIの分類

UDDIは、その利用範囲によって大きく2つに分類されます。

パブリックUDDI：インターネット上で一般に公開されているUDDIレジストリです。誰でも自由にサービスの登録や検索を行うことができます。かつては、このパブリックUDDIが、Webサービスの普及を促進する上で重要な役割を果たすと期待されていました。日本ではNTTコミュニケーションズがパブリックUDDIを運営していましたが、2007年3月31日をもってサービスを終了しています。
プライベートUDDI：企業内ネットワーク（イントラネット）などの閉じた環境で使用されるUDDIレジストリです。特定の組織内のユーザーのみがサービスの登録や検索を行うことができます。これにより、組織内で利用するWebサービスを管理し、利用を促進することができます。

UDDIの歴史と現状

2001年頃、Webサービスが大きな注目を集め始めた際、UDDIはWebサービスの基盤技術の一つとして広く紹介されました。しかし、Webサービス自体の普及が期待ほど進まなかったこと、そして、未知のWebサービスを検索して利用するという行為の必要性がそれほど高くなかったことから、UDDIは実験的な利用を除いて、実際には広く活用されることはありませんでした。

パブリックUDDIの公開サイト数は世界的に激減し、過去に存在した多くのUDDIレジストリは、現在では廃止されています。米IBMもかつては登録ページを開設していましたが、現在はWebSphere Application Serverのバージョン6にレジストリ機能を統合したため、閉鎖されています。

UDDIの関連技術

UDDIは、以下の技術や標準と密接に関連しています。

OASIS (Organization for the Advancement of Structured Information Standards)：UDDIの仕様は、OASISによって標準化されました。
WS-I (Web Services Interoperability Organization)：Webサービスの相互運用性を確保するための組織です。UDDIは、このWS-Iの活動においても重要な役割を果たしました。
* XML-RPC：XMLをベースとしたリモートプロシージャコール（RPC）のプロトコルです。UDDIは、Webサービスを記述するためにXML-RPCなどの技術を利用しています。

まとめ

UDDIは、Webサービスの検索と発見のためのシステムとして登場しましたが、Webサービス自体の普及の低迷や、需要の不足により、その役割を終えつつあります。しかし、Webサービスの概念や、サービス指向アーキテクチャ（SOA）の基礎を理解する上で、UDDIは重要な技術として捉えることができます。

もう一度検索