Wi-Fi Alliance

Wi-Fi Alliance：世界を繋ぐ無線LANの推進力

Wi-Fi Allianceは、無線LAN製品の普及を促進するために設立された業界団体です。その活動の中心は、異なるメーカーの無線LAN機器でも互いに接続できるよう、相互接続性の向上と、信頼性の高い製品認証にあります。2011年時点で約500社もの企業が参加しており、パソコンやネットワーク機器メーカーだけでなく、家電、通信、ゲーム業界など、幅広い分野から支持されています。アメリカ合衆国テキサス州オースティンに拠点を置いています。

設立の背景：初期無線LANの課題とWECAの誕生

初期の無線LAN機器は、IEEE 802.11規格に基づいて開発されていましたが、規格の曖昧さと相互接続試験の不足から、異なるメーカーの製品間で接続できない問題が頻発していました。ユーザーは、せっかく購入した無線LAN機器が利用できないという事態に直面することが少なくありませんでした。

この問題を解決するため、スリーコム、Aironet（現シスコシステムズ）、Harris Semiconductor（現インターシル）、Lucent Technologies（現LSIコーポレーション←Agere Systems）、Nokiaといった主要企業が中心となり、1999年にWireless Ethernet Compatibility Alliance（WECA）が設立されました。

WECAは、相互接続性試験の標準化、Wi-Fiの積極的なマーケティング、そして参加企業の拡大に尽力しました。そして2003年、画期的な相互接続性認証プログラムを発表。認証を取得した製品には「Wi-Fi CERTIFIED」ロゴの使用が認められ、同時に団体名をWi-Fi Allianceに変更しました。このロゴは、ユーザーにとって信頼性の証となり、Wi-Fiの普及を大きく加速させる要因となりました。

認証試験：厳格な基準と多様なプログラム

Wi-Fi Allianceは、厳しい相互接続性認証試験を実施しています。試験に合格した製品だけが「Wi-Fi CERTIFIED」ロゴの使用を許可されます。認証プログラムは多岐に渡り、基本的なIEEE 802.11規格への準拠に加え、セキュリティ規格であるWPA2への対応などが必須条件となっています。

具体的には、以下の項目が認証試験に含まれます。

基本規格: IEEE 802.11a, 802.11b, 802.11g, 802.11nなど
セキュリティ: WPA、WPA2（Personal、Enterprise）、EAPなど
* オプション機能: QoS（WMM、WMM Power Save）、特定ベンダーのEAP、IEEE 802.11d、802.11h、Wi-Fi Protected Setup（PIN、PBC、NFC）、音声機能、Wi-Fi Directなど

これらの多様な認証プログラムにより、様々な機能や性能を持つ無線LAN機器が、互換性と信頼性を確保しながら市場に投入されています。

Wi-Fi Allianceの役割：未来の無線通信インフラを支える

Wi-Fi Allianceは、単なる認証機関にとどまりません。Wi-Fi技術の進化を促進し、新たな規格の策定にも関わっています。常に最新の技術を取り込みながら、より高速で安定した、そして安全な無線通信環境の実現を目指しています。その活動は、私たちの生活を支える重要なインフラを支えていると言えるでしょう。 今後、IoT（Internet of Things）の普及など、無線LANの重要性はますます高まっており、Wi-Fi Allianceの役割はますます大きくなっていくでしょう。

もう一度検索