Win/V

Win/V：日本語Windowsアプリケーションを動作させる環境ソフト

Win/Vは、C・F・Computingによって開発されたソフトウェアで、英語版のWindowsやその互換環境で、日本語Windowsアプリケーションを利用可能にすることを目的としています。また、日本語入力システム（IME）や漢字TrueType/WIFEフォントを使用することも可能です。1994年には、ソフトバンク株式会社から3.5インチフロッピーディスク付きの書籍『Inside Win/V』として提供されました。

概要

このソフトウェアの最大の特徴は、Windows for Workgroups 3.1/3.11のように、日本語バージョンが存在しない環境や、日本語版Windowsをインストールできない状況でも、日本語を使用できる点です。特に、OmniBookのROM版Windowsなど、特定のハードウェア構成においても、日本語対応が実現されました。また、Win/Vは日本語版Windowsに比べて必要とするリソースが少なく、スムーズに動作するという利点がありました。

ただし、いくつかの制約も存在しました。たとえば、DOSプロンプトは英語環境のみをサポートしており、全角（日本語）ファイル名やディレクトリ名に関しては制限があります。これらの点は、Win/Vの使用を考える際には注意が必要です。さらに、Win/Vの後継ソフトとして、Chicago（後にWindows 95と呼ばれる）に対応したChicago/Vの開発も進められましたが、実際の商品化には至りませんでした。

動作環境

Win/Vが公式に対応していた環境は、主に以下の通りです。

• - Microsoft Windows Version 3.1/3.11
• - HP OmniBook/ROM版 Windows 3.1（RAM 4MB以上）
• - Microsoft Windows for Workgroups Version 3.1/3.11
• - OS/2 3.1
• - OS/2 2.1 for Windows
• - NEXTSTEP 3.2/Soft PC + Windows
• - SCO Unix/Windows セッション
• - iRMX for Windows

なお、Windows NTや16bit SubSystem、WABIに関してはサポート外となっているため、これらの環境での動作は期待できません。

脚注

Win/Vの開発を手がけた西川和久氏は株式会社シー・エフ・コンピューティングの代表であり、写真家やライターとしての活動も行っています。彼はWin/Vの成功に大きく寄与した人物です。

このように、Win/Vは日本語文字の使用を可能にする重要なソフトウェアとして、1990年代におけるコンピュータ環境に新しい選択肢を提供しました。

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