Windowsムービーメーカーとは
Windowsムービーメーカーは、かつて
マイクロソフトが提供していた
動画編集ソフトウェアです。
Adobe Premiereなどのプロ向けソフトとは異なり、より手軽に動画編集を楽しめるように設計されていました。初期バージョンはWindows Meに初めて搭載されましたが、当時はトリミング程度の簡単な編集しかできませんでした。しかし、バージョンアップを重ねるごとに機能が拡充され、視覚効果やテロップの追加などが可能となり、簡単な動画編集であれば他のソフトを利用する必要がないほどになりました。
特徴
Windowsムービーメーカーの大きな特徴は、その直感的な操作性です。他のプロ向けソフトと比較して、動画編集の初心者でも比較的簡単に操作できます。例えば、動画の切り取りや保存といった基本的な操作は、多機能なソフトよりも簡単に行えます。対応しているファイル形式も、WMAやWMVだけでなく、AVI、BMP、
JPEG、GIF、MPEG、
WAVなど幅広く、様々な素材を扱えます。
書き出しに関しては、WMV形式とDV
コーデックのAVI形式に限定されますが、動画の品質設定が可能で、ローカルでの鑑賞用には高画質、
インターネット上での公開には低画質といった使い分けができました。DV接続にも対応しており、
IEEE 1394経由で
ビデオカメラから映像を取り込むことも可能です。
近年では
MP4形式での出力も可能になり、最大50Mbpsでの高画質出力に対応しています。音声は192kbpsまでに制限されています。
バージョンと歴史
ムービーメーカー2が登場した当初は単独のインストーラーが配布されていましたが、2.1からはWindows XP Service Pack 2に同梱されるようになりました。そのため、単独で入手するには収録CDを購入する必要がありました。
Windows Vistaのリリース後、Windowsムービーメーカーの開発は中止されました。その後継として、
Windows Live ムービーメーカーがWindows Essentialsの一部として提供され、無料でダウンロードできました。安定性は向上しましたが、機能は2.1よりも簡素化され、初心者向けに特化した仕様となりました。そのため、以前のバージョンで可能だった複雑な動画や画像の合成はできなくなりました。また、Windows XP以前の環境では動作しません。
Windows Liveムービーメーカーは
2017年1月10日に配布とサポートが終了しました。実質的な後継としては、Windows 10では「フォト」アプリ内の「ビデオエディター」、Windows 11ではオンラインベースの動画編集ツールである
Clipchampがその役割を担っています。
バージョン一覧
Windows Me専用
1.0 - Windows Meに搭載(
2000年)
1.0.1377 - Web送信設定の不具合を修正(
2001年)
Windows XP専用
1.1 - Windows XP初期出荷版に搭載(
2001年)
1.1.1 - Windows XP SP1に搭載(
2002年)
1.2 - Windows Updateで配布(
2002年)
1.2.1 - Windows Updateで配布(
2002年)
2.0 - Windows XP初期出荷版およびSP1用(
2003年)
2.1 - Windows XP SP2に搭載(
2004年)
2.5 - Windows XP Media Center Edition 2005用(
2004年)
Windows Vista専用
2.6 - ダウンロードセンターから入手可能(
2007年)
6.0 - Windows Vista Home PremiumとUltimateに搭載(
2007年)
主な機能
プロジェクト単位でのデータ管理
既存の画像・動画の取り込み
既存の画像・動画のトリミングおよびつなぎ合わせ
特殊効果の追加
テロップの挿入
ファイルの書き出し
音楽の追加
ナレーションの録音
オートムービーの作成
再生可能なファイル形式
画像ファイル:bmp, dib, emf, gif, jfif, jpe, jpeg, jpg, png, tif, tiff, wmf
動画ファイル:asf, avi, dvr-ms, m1v, mp2, mp2v, mpe, mpeg, mpg, mpv2, wm, wmv
音声ファイル:aif, aifc, aiff, asf, au, mp2, mp3, mpa, snd, wav, wma
関連項目
ノンリニア編集
映像編集
スーパー (
映像編集)
Windows Media Player
デジタル
ビデオカメラ
3Dムービーメーカー