Windows Journal

Windows Journalとは

Windows Journalは、タブレットPCのために設計された手書き入力対応のノート作成ソフトウェアです。このアプリケーションは、Windows XP Tablet PC Editionや、Home Premium以上のWindows Vista、Windows 7、Windows 8/8.1に標準で同梱されており、手書きによる直感的な入力が可能です。Windows 10以降では、Microsoft StoreからダウンロードできるUWPアプリ「Microsoft ジャーナル」が提供されています。

概要

Windows Journalの主な特徴は、ユーザーがキーボードを使わずにペンを使って直接ノートを作成できる点です。文字を書くことだけでなく、図やイラストを描くこともでき、その手書きの内容をテキストに変換する機能も備えています。しかし、このテキスト変換機能は手書き文字に限られ、画像ファイル内の活字をテキストに変換するOCR機能には対応していません。

さらに、「Journal ノート ライタ」と呼ばれるプリンター機能を使うことで、ファイルやウェブページをエクスポートし、これらの内容に手書きで加筆することができます。印刷可能なものはすべてエクスポート可能で、ノートに自由に追加書きできるのが大きな魅力です。

紙との比較

Windows Journalは紙媒体との比較においていくつかの利点を持っています。まずノートはデジタルファイルとして管理され、パソコン上で簡単に整理や編集が可能です。また、手書きされた後も、インクの位置を変更したり、誤って書いた内容を簡単に消去することができます。

インクの色や太さも自由に変更でき、必要に応じて個性的なノートを作成することが簡単です。しかし、パソコンを必要とするため、持ち運びの面では紙やペンに比べるとかさばります。

ワープロソフトとの比較

Windows Journalは図や絵を簡単に描けるため、アート的な要素を含むノートを作成するのに適しています。一方で、見出しや文章をひたすら入力する場合は、キーボード入力に比べてスピードが落ちます。ただし、Windows Journalでもキーボードを使用することは可能です。

レイアウトは非常に自由に設定できるため、独創的なデザインのノートが作成できる反面、ビジネス用の文書として整然とした形式には向かないことがあります。最近では、Microsoft Wordなど他のワープロソフトでもペンによる入力がサポートされています。

JNTフォーマット

Windows Journalは独自の.JNTファイル形式を採用していますが、Microsoftはその詳細情報を公開していないため、他のソフトウェア開発者がこのフォーマットを扱うことは難しいです。このため、他のアプリケーションでは.Windows Journalファイルを直接インポートすることができず、サードパーティアプリも存在しません。これらのファイルを他の形式に変換するには、Journal Reader Supplemental Componentを使ってXMLなどの形式にする必要があります。また、OneNoteへの変換ツールも利用可能です。

ご注意の通り、Microsoft ジャーナルではINKファイル(.ink)形式が使用されるため、JNTファイルとの互換性はありません。

Windows Journal Viewer

マイクロソフトが提供したWindows Journal Viewerを使うと、Tablet PC無しでもWindows Journalノート（.JNTファイル）を表示することができ、このソフトウェアはWindows 2000、Windows XP、Windows Server 2003向けにリリースされました。しかし、2016年3月にはサポートが終了しました。

開発の終了

Windows Journalは、2016年7月時点で大きな更新は行われていないものの、Windowsの新しいバージョンとの互換性テストは行われ、2016年5月にはセキュリティ修正も適用されていました。Windows 10では、一部のアップデートによって機能が制限されていますが、それも個別ソフトウェアとして再インストール可能です。

Microsoftは、OneNoteに主な機能を統合しており、ユーザーはJNTファイルをOneNoteフォーマットに変換するツールを使用して移行することができます。2021年からは新しい「Microsoft ジャーナル」が更新を受け、ユーザーに提供されています。

関連項目

• - タブレットPC
• - Microsoft OneNote

このようにWindows Journalは手書きの特性を生かしたメモ作成ソフトとして、重要な役割を果たしてきましたが、時代の変化に伴い、Microsoftはその主要機能をOneNoteへと移行させています。

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