With-you

「With-you」（ウィズ・ユー）は、日本のヴィジュアル系ロックバンド、La'cryma Christiが1998年5月8日にリリースした通算4枚目のシングルです。この楽曲は、テレビ朝日の情報番組『サンデージャングル』のエンディングテーマとして採用されました。偶然にも、バンドがメジャーデビューを果たしてからちょうど1周年となる記念すべき日に発売された作品です。

本作は、La'cryma Christiにとって商業的に大きな成功をもたらしました。オリコン週間シングルランキングでは、バンドのシングルとして初めてトップ10圏内にランクイン。これにより、彼らの存在がより多くの音楽ファンに知られることとなり、スマッシュヒットと称される結果を残しました。特に、このシングルはチャートへの登場回数がLa'cryma Christiの全シングルの中で最も多く、長期にわたって売れ続けました。さらに、発売初週の売り上げ（初動売り上げ）だけで、それまでバンドが持っていた自己最高セールス記録を塗り替えるという快挙を達成。最終的な累計売上は16.9万枚に達し、これはそれまでの最高売上を記録したシングルの約4倍にあたる枚数であり、バンド史上最大のヒット曲となりました。

タイトル曲である「With-you」は、ギタリストのTAKAが初めて作曲を手掛けた作品です。同時に、バンドがメジャーデビューを果たして以降、初めて書き下ろされた楽曲でもあります。楽曲が制作される過程としては、まずTAKAがメロディーのアイデアを形にしました。そのメロディーを同じくギタリストであるHIROに聴かせたところ、HIROがそのメロディーにコードを付けて楽曲の骨組みを作りました。最終的に、メンバー全員が集まって編曲（アレンジ）を施し、現在の形に完成したとされています。

シングルのジャケットアートワークも特徴的です。カバーには印象的な唇の写真が使用されており、表ジャケットでは唇が鮮やかな赤色で、裏ジャケットでは対照的に青色で表現されています。この色の違いは、カップリング曲である「Egos and Lies」が、タイトル曲「With-you」とは音楽性や雰囲気が全く異なる方向性を向いていることを象徴するために意図されたものです。ジャケット撮影にまつわるエピソードとして、この唇のカットを撮るためだけに、約5時間もの時間を費やしたという話が伝えられています。

本シングルには、以下の3曲が収録されました。

1. With-you
作詞: TAKA / 作曲: TAKA
2. Egos and Lies
作詞: TAKA / 作曲: SHUSE
3. With-you（unvocal version）
* 「With-you」のインストゥルメンタルバージョン。

「With-you」および「Egos and Lies」は、シングルリリース後も様々な作品に収録されています。タイトル曲「With-you」は、オリジナルアルバム『Lhasa』にアルバムバージョンとして収められたほか、ベストアルバムやセレクション盤である『Single Collection』、『GREATEST-HITS』、『Sound & Vision THE SINGLES + Selection from Live “DECADE”』（この作品にはシングルバージョンとアコースティックバージョンの2種類が収録）、そして『La'cryma Christi Singles + Clips』といった多くの作品に収録されています。カップリングの「Egos and Lies」もまた、『Single Collection』や『La'cryma Christi Singles + Clips』に収録されています。

もう一度検索