『Wonder』は、日本の
歌手中森明菜によるCD限定ミニ・
アルバムで、1988年6月1日にワーナー・パイオニアからリリースされました。初回は通常盤に加え、特別な
24金蒸着が施された
GOLD CD版も同時に販売され、音楽ファンの注目を集めました。この作品は、前作『
CD'87』に続く形でのリリースとなります。
本作は
中森明菜のキャリアの中で記念すべきセルフ・プロデュース作品であり、作品の帯に記された「NEW VOCAL WITH RE-MIXED VERSION」という文言が示す通り、再録された楽曲が収められています。収録曲は、『不思議』から選ばれた「Labyrinth」、「燠火」、「ガラスの心」、「マリオネット」、「Teen-age blue」の5曲で、さらに新たに楽曲「不思議」が加わりました。この
アルバムに収録されたことで、これらの楽曲は新たな息吹を得ることとなり、多くのファンに親しまれることになりました。
アルバムのリリースにあたっては、撮影時に樹木にかぶれるというハードなエピソードもあり、これがビジュアル面でも話題となりました。発売後、1988年7月20日からは中森の全国コンサート・ツアー「Femme Fatale」が始まり、そこで「不思議」が披露されるなど、盛り上がりを見せました。
批評
批評家たちの評価も交え、作品を振り返ってみると、音楽雑誌『CDジャーナル』では、
アルバムが表現するリゾート感について「熱帯と温帯が入りまじった、観念としての女性の夏休暇を清涼かつ妖しく描く」と評されています。また、馬飼野元宏氏が『Hotwax presents 歌謡曲 名曲名盤ガイド 1980's』の中で挙げたように、本作は中森の歌唱がより明瞭に聴こえるバージョンとして評価されています。
チャート成績
『Wonder』は
オリコン週間
アルバムチャートにおいて、1988年6月13日の週に初登場し、最高順位は2位を記録しました。このチャートには計8週にわたってランクインし、さらに
オリコンのCDチャートでも10週にわたり名前を連ねました。これにより
中森明菜の人気がますます高まることとなりました。
収録曲とクレジット
収録曲
- - Labyrinth
- - 燠火
- - ガラスの心
- - マリオネット
- - Teen-age blue
- - 不思議(新録)
クレジット
- - 撮影: 塚田和徳
- - レコードメーカーディレクター: 藤倉克己、平井哲之
このように『Wonder』は、
中森明菜の音楽の新たな側面を引き出す作品であり、発売当初から今日に至るまで多くのリスナーに愛されている一枚となっています。