World Schools Debating Championships

World Schools Debating Championships（WSDC）とは

World Schools Debating Championships（WSDC）は、毎年行われる高校生による英語のディベート大会です。この大会は世界各国から高校生チームが参加し、英語での議論を通じてコミュニケーション能力や分析力を高める貴重な機会を提供しています。

歴史

WSDCは1988年8月、オーストラリアの200周年祭に合わせて初めて開催されました。この大会は、オーストラリアで大学生対象の「World Universities Debating Championships（WUDC）」が行われたことから、この形式の大会が高校生にも必要であるという認識のもと誕生しました。最初の大会にはオーストラリア、カナダ、イングランド、香港、ニュージーランド、アメリカの6チームが参加しました。これにより、カナダが優勝を果たしました。

その後、1990年にカナダで開催された第2回大会からは「World Debating Championships」という名前に改称され、多様な国の参加が進む中、1991年の大会では現在の名前であるWorld Schools Debating Championshipsに正式に変更されました。

大会の参加国・地域は、各国から1チームのエントリーが許可されており、特定地域や国内からの独立した参加も可能です。英語でのディベートが行われるため、英語を母国語としない国にとっては外国語での議論が求められます。しかし中国とインドは過去に一度ずつ優勝し、その他にも多くの非英語圏の国がセミファイナル進出を果たしています。

大会期間中、母国語でのデモンストレーションディベートが実施されることもあり、国際理解の促進に寄与しています。

ディベートの形式

WSDCでは「World Schools Style debate」という独自の形式が採用されています。この形式は、British ParliamentaryスタイルとAustrals Formatが融合したもので、各試合は8分間のスピーチを持つ3人のメンバーから成る2つのチームによって争われます。合計8つのスピーチが行われ、最後にリプライが行われます。

各チームは8分のスピーチの中で、相手チームに対して「Point of Information（POI）」と呼ばれる質問を行うことができ、これに応じてスピーカーが回答します。このディベート形式はWSDC専用ですが、他の国での国内大会でも取り入れられています。

大会は通常、10日間かけて行われ、予選では合計8回のディベートが実施され、最終的にはベスト16チームによるノックアウト式の試合が行われます。ここでも、ジャッジによってスピーカーのプレゼンテーションや内容が評価されます。

関連規定

World Schools Debating Championshipsの憲章では、各参加国が議論することが必須であり、他国のチームとディベートを行う権利が明示されています。また、若い世代のコミュニケーション能力を向上させ、国際的な理解を深めることを目的としています。

過去の大会と今後の展望

2020年にはコロナウイルスの影響で「Online World Schools Debating Championships」がメキシコシティで開催され、全ディベートはオンラインで行われました。2021年の大会はマカオでの開催が予定されています。

強豪国と賞制度

WSDCでは特に強い国もあり、2010年代にはシンガポールが3度の優勝を実現しました。更に、英語を第二言語または外国語とする国々を対象にした「ESL賞」及び「EFL賞」が毎年授与され、それに格別な挑戦を促しています。

上述のように、WSDCは単に競争の場というだけでなく、国際的な交流や教育の一環として重要な役割を果たしている大会です。

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