X JAPAN WORLD TOUR Live in YOKOHAMA 超強行突破 七転八起 〜世界に向かって〜

X JAPAN WORLD TOUR Live in YOKOHAMA 超強行突破 七転八起 〜世界に向かって〜

2010年8月14日と15日、横浜国際総合競技場にて開催されたこのコンサートは、日本のロックバンドX JAPANにとって特別な意味を持つ公演でした。このパフォーマンスは、2008年の「X JAPAN COUNTDOWN GIG 〜初心に帰って〜」を皮切りにしたワールドツアーの一環として行われ、待望の日本公演として多くのファンに期待されました。

昨今、YOSHIKIは頸椎椎間孔切除手術を受け、Toshlも肋間神経痛によって入院するなど、メンバーの健康問題により活動休止を余儀なくされていました。しかし、2010年の初めにはアメリカ・ロサンゼルスでPV撮影に参加し、徐々に活動を再開。ロックフェスティバル「ロラパルーザ」への出演が決定し、その流れで横浜公演が実現しました。

横浜でのパフォーマンスは、X JAPANにとって初の野外単独公演でした。そして、特に注目されたのは、元メンバーのTAIJIが緊急参戦することが発表された点です。この決定は、Toshlを通じてのYOSHIKIとTAIJIの再会をきっかけに生まれました。TAIJIと現メンバーの共演は、実に18年ぶりであり、ファンにとっては夢のような瞬間でした。

YOSHIKIは当初、TAIJIが自身の曲も演奏する可能性があると明言しており、「Voiceless Screaming」の演奏を提案しましたが、TAIJI側は時間的な余裕がないとのことでそれは実現しませんでした。そのため、TAIJIは「X」のセッションに参加し、両日のパフォーマンスで彼の存在はファンに強い印象を与えました。残念ながら、TAIJIは2011年に他界してしまったため、このコンサートが彼とX JAPANの最後の共演となりました。

公演では、新たな試みとしてオープニングに新しいSE「Miracle」が使用され、さらに新曲「Born To Be Free」が披露されました。特にギターバトルが行われた「Love Replica」では、PATAとSUGIZOが激しい掛け合いを見せ、2日目にはHEATHも加わってさらに熱気を増しました。また、アコースティックコーナーではSUGIZOがバイオリンで参加するなど、新たな表現が盛り込まれました。特に視聴者の熱い反応を得たのは、「ENDLESS RAIN」でのHIDEのギターソロパートを初めてSUGIZOが演奏した場面でしょう。

この公演のセットリストは、初日の「再会の夜」では、オープニングとして「Miracle」が流れ、続いて「JADE」や「Rusty Nail」などの人気曲が並びました。アンコールには「ENDLESS RAIN」やTAIJIと共演した「X」が含まれており、メンバー全員が一体となる様子が印象的でした。

二日目の「真夏の夜」では、さらにバリエーションのある選曲が行われ、「DRAIN」や「Forever Love」のアコースティックバージョンも披露されました。ファンにとって、両日とも特別な思い出を作ることができたイベントとなりました。

このコンサートは、X JAPANの復活と進化の証であり、ファンとの絆を再確認する大切な場となったのです。

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