X-ファイル シーズン2

『X-ファイル』シーズン2の詳細

『X-ファイル』シーズン2は、1994年9月16日から1995年5月19日にかけてFOXで放送された全25話からなるシーズンです。前シーズンからの謎を引き継ぎつつ、新たな展開が盛り込まれ、物語はより複雑さを増していきます。

スタッフ

製作総指揮: クリス・カーター、グレン・モーガン、ジェームズ・ウォン、ハワード・ゴードン、R・W・グッドウィン、ポール・ラブウィン、キム・マナーズ
製作: デヴィッド・ナッター、ジョセフ・パトリック・フィン、ロブ・ボウマン
音楽: マーク・スノウ

キャスト

主要キャスト

デヴィッド・ドゥカヴニー - フォックス・モルダー特別捜査官
ジリアン・アンダーソン - ダナ・スカリー特別捜査官
ウィリアム・B・デイヴィス - シガレット・スモーキング・マン
ミッチ・ピレッジ - ウォルター・スキナーFBI副長官
ニコラス・リー - アレックス・クライチェック
ブルース・ハーウッド - ジョン・フィッツジェラルド・バイヤース
トム・ブレイドウッド - メルビン・フロヒキー
ディーン・ハグランド - リチャード・ラングリー
スティーヴン・ウィリアムズ - ミスターX

主要ゲスト

ピーター・ドゥナット - ウィリアム・モルダー
レベッカ・トゥーラン - ティナ・モルダー
ミーガン・リーチ - サマンサ・モルダー
シーラ・ラーケン - マーガレット・スカリー
ドン・S・デイヴィス - ウィリアム・スカリー
メリンダ・マックグロウ - メリッサ・スカリー
スティーヴ・レイルズバック - デュエイン・ベリー
レイモンド・J・バリー - リチャード・マティソン上院議員
ブライアン・トンプソン - バウンティハンター
フロイド・ウェスターマン - アルバート・ホスティン
CCH・パウンダー - ルーシー・カジン捜査官
ニック・チンランド - ドナルド・ファスター
スーザン・ブロンマート - フィリス・パドック
トニー・シャルーブ - チェスター・バントン

シーズンの概要

シーズン1の最終話でX-ファイル課が閉鎖された後、スカリーはFBIアカデミーの教官に、モルダーは盗聴任務に就いていました。しかし、モルダーは真実を諦めず、リチャード・マティソン上院議員からエイリアンに関する情報を得ます。プエルトリコのアレシボ天文台での捜査でエイリアンを目撃しますが、証拠は得られません。その後、モルダーはアレックス・クライチェック捜査官と組むことになり、ミスターXという新たな情報提供者も登場します。

誘拐されたと主張するデュエイン・ベリーが人質を取り立てこもる事件が発生。モルダーはベリーと交渉しますが、ベリーは逃走し、スカリーを誘拐します。スカリーはベリーによってエイリアンに差し出されそうになりますが、モルダーが救出しようとするも、クライチェックの妨害によりスカリーはエイリアンに連れ去られてしまいます。その後、スカリーは昏睡状態で発見され、治療を経て職場復帰。二人はウィスコンシン州で発生したティーンエイジャーの連続誘拐事件を捜査。誘拐された若者たちが地球外のバクテリアを投与されていたことが判明します。

さらに、姿を変えられるエイリアン、バウンティハンターが登場。モルダーの妹サマンサが成長した姿で現れますが、彼女もバウンティハンターに狙われます。スカリーがバウンティハンターに誘拐され、モルダーはサマンサとスカリーの交換を強いられます。モルダーはバウンティハンターを追いますが、サマンサは殺されてしまいます。その死体が溶ける様子から、サマンサもクローンであることが判明。

モルダーはミスターXの協力を得てバウンティハンターを追跡し、有毒な血液を浴びますが、スカリーの治療で一命を取り留めます。また、ハッカーからロズウェル事件の真相が記録されたデジタルテープを入手しますが、それはナバホ語で書かれていました。モルダーの父親が真実を話そうとした時、シガレット・スモーキング・マンがクライチェックに父親を殺害させます。テープを翻訳するため、モルダーとスカリーはナバホ族の老人アルバート・ホスティンに会い、エイリアンの死体が入った貨車を見せてもらいますが、スモーキング・マンによって貨車は焼却されます。

製作

構想

シーズン2の第1話は、当初クリス・カーターが脚本を担当する予定でしたが、スケジュール等の都合で変更になりました。グレン・モーガン、ジェームズ・ウォン、ハワード・ゴードンの3人が脚本を執筆しました。このエピソード「リトル・グリーン・マン」は、エイリアンの姿が初めて明確に描かれたエピソードとなりました。また、スカリー役のジリアン・アンダーソンの妊娠が判明した際、FOXの重役は降板を求めましたが、カーターが拒否。最終的に、スカリーがエイリアンに誘拐されたという設定で対応しました。この設定が後のシリーズ全体の展開に大きな影響を与えました。シーズン1でX-ファイル課が閉鎖され、モルダーとスカリーが離れ離れになったことが、スカリーの妊娠を隠す上で都合が良かった点もあります。

キャスティング

シーズン1で殺されたディープ・スロートに代わる情報提供者として、Xが登場しました。当初ナタリア・ノグリッチがキャスティングされる予定でしたが、スティーヴン・ウィリアムズが起用されました。Xはディープ・スロートとは異なり、高圧的なキャラクターとして描かれています。アレックス・クライチェック役には、ニコラス・リーが起用されました。彼はシーズン1第14話の出演がカーターの目に留まったことがきっかけです。当初、クライチェックはスカリー不在時の穴埋めとして登場する予定でしたが、その後も重要な役割を担うようになりました。エイリアンのバウンティハンター役には、ブライアン・トンプソンが起用されました。サマンサ・モルダー役のミーガン・リーチは、カーターが最初から本物のサマンサを登場させるつもりはなかったと語っています。

リチャード・マティソン上院議員役は、当初ダーレン・マクギャヴィンが予定されていましたが、モルダーの父親役になり、最終的にピーター・ドゥナットが演じました。

評価

視聴率

シーズン2第1話「リトル・グリーン・マン」は1610万人の視聴者（視聴率10.3%）を獲得しました。シーズン2の最高視聴者数は第15話「新鮮な死体」の1780万人。最低視聴者数は第21話「カルサリ」の1290万人です。シーズン2最終話「アナサジ」は1660万人の視聴者数を記録しました。1994年度のテレビ番組視聴者数ランキングでは、シーズン2は63位と、シーズン1の105位から大きく躍進しました。

批評家からの評価

『DVDジャーナル』はシーズン2に4つ星満点の評価を与え、『IGN』は10点満点中9点の高評価を与えています。ロバート・シャーマンとラース・パーソンは、「トリニティ」「不老」「カルサリ」を厳しく批判する一方で、「リトル・グリーン・マン」「昇天 Part.1」「昇天 Part.3」「呪文」「アナサジ」に5つ星満点の評価を与えています。

多くの批評家が「昇天」三部作を高く評価しており、シャーマンは「ストーリーの濃密さ」「感情の率直な表現」をシーズン2のハイライトとして挙げています。トム・ケセニッヒは、「昇天」三部作がシリーズの方向性を決定づけた重要なエピソードであると述べています。

受賞

シーズン2はプライムタイム・エミー賞で7つのノミネートを受けましたが、受賞には至りませんでした。しかし、第54回ゴールデングローブ賞では、シーズン1と合わせて作品賞（ドラマ部門）を受賞し、主演のドゥカヴニーとアンダーソンもそれぞれ主演男優賞と主演女優賞を受賞しました。

エピソード一覧

（エピソード一覧は割愛）

参考文献

Hurwitz, Matt; Knowles, Chris (2008). The Complete X-Files. Insight Editions. ISBN 1-933784-80-6 
Kessenich, Tom (2002). Examination. New York, US: Trafford Publishing. ISBN 1-55369-812-6 
Lovece, Frank (1996). The X-Files Declassified. Citadel Press. ISBN 0-8065-1745-X 
Lowry, Brian (1995). The Truth is Out There: The Official Guide to the X-Files. Harper Prism. ISBN 0-06-105330-9 
Shearman, Robert; Pearson, Lars (2009). Wanting to Believe: A Critical Guide to The X-Files, Millennium & The Lone Gunmen. Mad Norwegian Press. ISBN 0-9759446-9-X 

出典

(出典は割愛)

外部リンク

The X-Filesのエピソード一覧 - インターネット・ムービー・データベース（英語）

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