X.Org Foundation

X.Org Foundationは、X Window SystemとX.Org Serverの開発を推進する非営利組織です。2004年1月22日に設立されました。この組織は、オープンソースのグラフィカルユーザーインターフェース環境を支える重要な役割を担っています。

設立の背景には、XFree86プロジェクトからの分裂という出来事がありました。2004年2月29日にリリースされたXFree86 4.4.0が、従来のMIT Licenseではなく、旧BSD[[ライセンス]]の宣伝条項に類似した項目を含む新たなライセンスで公開されたことが発端です。このライセンス変更は、GPLv2第6項およびGPLv3第10項と矛盾しました。宣伝条項は「さらなる権利制限」と解釈され、GPLライセンスのプログラムとXFree86 4.4.0以降のバージョンとのリンクが不可能になるという問題が生じました。

このライセンス問題に加え、XFree86の開発プロセスが閉鎖的であったことに対する不満も、X.Org Foundation設立の要因となりました。XFree86の中核メンバーは、これらの問題に対処するため、XFree86プロジェクトを離脱し、新たな組織を立ち上げることを決意しました。その結果、X.Org Foundationが設立され、オープンで透明性の高い開発体制が構築されることになりました。

2004年4月には、X.Org Serverの最初のリリースとなるX Window System Version 11 Release 6.7（X11R6.7）が公開されました。これは、XFree86から派生したものであり、その後のX Window Systemの発展の基礎となりました。

2005年12月には、X11R7.0がリリースされました。このバージョンでは、モノリシック構造のツリーとimakeによるビルドシステムから、モジュール化されたツリーとautotoolsによるビルドシステムへと大幅な変更が加えられました。この変更により、開発の柔軟性が向上し、より多くの開発者が貢献できるようになりました。

X.Org Foundationは、設立以来、X Window Systemの進化を牽引し、Linuxをはじめとする多くのUnix系オペレーティングシステムのグラフィカル環境を支え続けています。オープンソースコミュニティの原則に基づき、誰もが開発に参加し、貢献できる環境を提供しています。

関連情報:
公式ウェブサイト
X.Org page at freedesktop.org
* X.Org Foundation (@XOrgFoundation) - X（旧Twitter）

もう一度検索