XAVC

XAVCとは

XAVCは、ソニーが2012年に発表したプロフェッショナル向けの動画記録フォーマットです。このフォーマットは、映像制作会社や放送局など、高品質な映像を求めるプロフェッショナル市場に向けて開発されました。特徴として、高解像度、高フレームレート、高ビットレートに対応しており、幅広い映像コンテンツの制作を可能にします。また、ソニーはXAVCの技術を他の企業にライセンス供与しており、様々なメーカーの製品で採用されています。

技術的な詳細

XAVCは、H.264/MPEG-4 AVCのレベル5.2という、この規格でサポートされる最高のレベルを使用しています。これにより、非常に高品質な映像を効率的に記録することが可能です。具体的なスペックとしては、最大60fpsで4K解像度（4096×2160および3840×2160）に対応しています。また、色深度は8ビット、10ビット、12ビットに対応しており、クロマサブサンプリングは4:2:0、4:2:2、または4:4:4を選択できます。コンテナフォーマットには、Material Exchange Format（MXF）が利用可能です。

XAVCは、フレーム内記録だけでなく、長いGOP（Group of Pictures）記録にも対応しており、コンテンツ制作の幅広いニーズに応えることができます。フレーム内記録は、各フレームが独立して記録されるため、編集時の自由度が高く、高品質な映像を維持しやすい特徴があります。一方、長いGOP記録は、データ量を削減できるため、長時間の録画に適しています。

XAVC S

2013年、ソニーはXAVCをより幅広い層のユーザーに広げるため、XAVC Sを発表しました。XAVC Sは、XAVCの技術をベースにしながら、民生用機器での利用を想定して開発されたフォーマットです。XAVC Sでは、最大3840×2160の解像度に対応しており、コンテナ形式としてMP4を採用しています。オーディオコーデックにはAACまたはLPCMが使用可能です。

XAVC Sは、ソニーの民生用ビデオカメラや一部のデジタルカメラに採用されており、FDR-AX100、HDR-AS100V、α7S、RX10などがその例として挙げられます。これらの機器では、XAVC Sフォーマットにより、高画質な4K動画を手軽に撮影することができます。

ハードウェア

2012年11月、ソニーはXAVCを採用した民生用製品をリリースする可能性を示唆しました。その後、2014年3月には、XAVC S対応の民生用ビデオカメラFDR-AX100が発売されました。このカメラは、最大解像度3840 x 2160、ビットレート60Mbit/sで録画が可能で、12倍の光学ズームに対応しています。記録メディアにはSDXCメモリーカードが採用されています。

さらに、2015年2月には、FDR-AX33が発売されました。このカメラでは、最大解像度は同じく3840 x 2160ですが、ビットレートが100Mbit/sに向上しており、より高画質な録画が可能になりました。光学ズームは10倍に対応し、記録メディアはSDXCメモリーカードです。

また、2015年後半には、プロフェッショナル向けカムコーダーHXR-NX3のファームウェアアップデート（バージョン2.0）がリリースされ、これにより、AVCHDに加えてXAVC S形式での録画が可能になりました。このように、XAVCとXAVC Sは、プロフェッショナルから民生まで、幅広いユーザーに対応する動画フォーマットとして進化を続けています。

関連規格

• - H.264/MPEG-4 AVC：XAVCのベースとなる動画圧縮規格。
• - SxS：ソニーが開発したフラッシュメモリ規格。
• - AVCHD：H.264/MPEG-4 AVCをベースにした、低ビットレートの記録フォーマット。
• - AVC-Intra：H.264/MPEG-4 AVCをベースにした、フレーム内圧縮の記録フォーマット。

外部リンク

• - XAVC情報
• - XAVC SonyUKの記事

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