XB-30 (航空機)

XB-30 超大型爆撃機計画

XB-30は、アメリカ合衆国の航空機メーカー、ロッキードがアメリカ陸軍航空隊の依頼に基づいて開発を試みた超大型爆撃機です。このプロジェクトは、ボーイングのB-29やコンベアのB-32と並び、超長距離爆撃機計画(Very Long Range)として位置づけられましたが、実際には完成には至りませんでした。

開発の背景

1938年ごろ、アメリカ陸軍は、欧州や太平洋地域での戦争の可能性から、次世代の大型爆撃機が必要であると認識しました。1939年には、長距離重爆撃機の開発が急務であるとの報告がなされ、新型機の設計案に対してアメリカ国内の航空機メーカーに要請が行われました。そして、1940年12月2日に、正式にこの計画への承認が下されました。

1940年1月29日、陸軍は各メーカーに対し、新機種の提案を求めました。その結果、1940年4月8日には、ロッキードのXB-30をはじめとするB-29、B-31、B-32という競争の中で各社が開発を進めることになりました。ただし、設計上の本命はB-29であり、XB-30はバックアッププランとして扱われていました。

設計と特徴

XB-30の設計は初期段階のまま進行が止まり、具体的な飛行機体の製造には至りませんでした。実際にはスケールモデルのみが作成された状態で、B-29やB-32の開発が進むにつれて、XB-30のプロジェクトは中止されることになります。設計された機体は、4発のエンジンを搭載し、3枚の低い垂直尾翼を持つ姿が特長です。この設計は後にロッキードのC-69（航空機名：コンステレーション）の基礎設計となることがありました。

設計目標スペック

• - 全長: 31.91 m
• - 全幅: 37.50 m
• - 全高: 7.25 m
• - 翼面積: 153 m²
• - 空虚重量: 23,462 kg
• - 全備重量: 39,020 kg
• - エンジン: P&W R-3350-13 空冷レシプロ 2200hp × 4
• - 最大速度: 615 km/h
• - 実用上限高度: 5,440 m
• - 航続距離: 8,583 km

武装と乗員

XB-30は、1,497 kgの爆弾を搭載可能であり、以下の武装を持つ計画でした。

• - 20mmキャノン砲: 1門
• - 12.70mm機銃: 10門
• - 乗員: 12名

XB-30は、実際には完成を見なかったものの、その設計過程は後の航空機開発に影響を与えることとなりました。このプロジェクトが持つ歴史的な意義を振り返ると、当時のアメリカ陸軍の戦略や技術革新の一端を垣間見ることができます。

参考リンク

• - USAF Museum

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