XB-48 (航空機)

XB-48 (Martin XB-48)

XB-48は、1940年代にアメリカ合衆国のマーチン社によって開発された試作のジェット爆撃機であり、アメリカ陸軍航空隊の要求に基づいて設計されました。この機体は、当時の新しい技術の導入を試みるものであり、航空産業における重要な一歩となりました。

概要

1944年、アメリカ陸軍航空軍は「重量80,000ポンドから200,000ポンドまでの範囲の中型爆撃機」というニーズを提示しました。それに対し、航空機メーカー各社は独自のデザインを提案し、マーチン社が開発したXB-48はその中の一つとして挙げられます。

XB-48は、当時の他の機体、特にノースアメリカン社のNA-130やコンベア社のModel 109と共に「1945年組」と称され、いずれも直線翼のデザインを採用し、中間部にジェットエンジンを搭載していました。各機体の中でNA-130だけがB-45トーネードとして1947年に制式採用され、XB-48は試作機が2機のみ製造された結果となりました。1948年には、後退翼を採用したボーイング社のB-47爆撃機が配備され、B-45は退役していきました。

開発の経緯

XB-48の初飛行は1947年6月22日であり、開発の過程は比較的順調に進みました。しかし、当時のターボジェットエンジンは効率が低く推進力も十分でなかったため、他のレシプロ爆撃機に比べて燃費が悪く、機体の大きさが同じにもかかわらず6基のエンジンを必要としました。そのため、速度や航続距離においても優れた性能を発揮することはできませんでした。実際、B-47の登場により、XB-48は次第にそのイニシアチブを失うことになります。最終的にXB-48の開発計画は1948年に中止されました。

機体の特徴

XB-48の設計は、基本的にはレシプロエンジンの中型双発爆撃機をジェット化したもので、主翼の中間部に3基のジェットエンジンを配置しました。この配置は、エンジン間にスリット状の空洞を設け、その空気の流れによって推進力を向上させることを目的にしていました。しかし、この複雑な構造は、風洞実験では効果があったものの、実際には大きな空気抵抗の原因となりました。

また、XB-48の降着装置は自転車式であり、胴体前部と後部に主脚を配置し、補助脚は主翼の中ほどに設置されていました。

仕様

• - 全長: 26.20 m
• - 全幅: 33.00 m
• - 最大離陸重量: 46,500 kg
• - エンジン: GE製 J-35 × 6
• - 推力: 17.0 kN × 6
• - 最大速度: 841 km/h
• - 航続距離: 2,900 km
• - 操縦乗員: 3名（操縦士2名・爆撃手1名）
• - ペイロード（兵装搭載量）: 10,000 kg
• - 固定武装: 12.7mm機銃2門（計画）

参考文献

• - 『世界の駄っ作機 2』著：岡部ださく（ISBN 978-4499227261）刊：大日本絵画([2000年]])
• - [アメリカ空軍博物館 Fact Sheets Martin XB-48

XB-48は、ジェット爆撃機としての開発の試みや、航空技術の進化を象徴する重要な存在であったものの、時代の変化に伴い、実用化には至りませんでした。

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