XB-51 (航空機)

XB-51: アメリカの試作戦術爆撃機

XB-51は、1940年代にアメリカのマーチン社によって試作された戦術爆撃機であり、特にその独特な三発エンジンの配置や多様な運用能力が注目されました。この機体は、当初はA-26 インベーダーという双発攻撃機を基にした計画で進められ、ターボプロップエンジン2基と小型ターボジェットエンジンを装備する複合動力機として開発が始まりました。

1945年にはアメリカ陸軍航空軍向けの攻撃機として、XA-45という名称で開発がスタートしましたが、1946年にはその任務が戦術爆撃から低空での高速侵入および近接航空支援に変更され、機体の名称もXB-51に改められました。同年5月には試作機2機が発注され、試作機1号機は1949年9月に完成し、同年10月には初跳飛に成功しました。2号機は1950年4月に初飛行を果たし、試験飛行ではチャック・イェーガーのような著名なパイロットも操縦しました。

テスト結果によれば、XB-51は211時間の飛行を行い、その性能については高い評価が得られたものの、降着装置が未整備飛行場での使用に難があり、機体強度が不足しているとされたため、1952年には採用が見送られました。在庫機は901を生産したが、XB-51用に開発された回転式爆弾庫は、後に採用されたB-57キャンベラ爆撃機の設計にも活用されました。

機体構造は非常にユニークで、三発機でありながらも、主翼の両側にはターボジェットエンジンが取り付けられ、尾部には補助エンジンが配置されています。推力954ポンドを持つ着脱式補助ロケット推進装置も装備可能で、戦闘機のようなバブルキャノピーを採用し、乗員は2名で構成されています。武装としては、最大で4,700kgの爆弾を搭載可能で、8門の20mm機関砲も装備されました。

このようにXB-51は独自のデザインと能力を持ちながら、大きな戦闘行動半径を求められなかったために、最終的には採用されず、その役割を他の機体に譲ることになりました。試作機のうち1機は1956年の映画『Toward the Unknown』に登場するなど、その後も注目を集め続けています。

要目

• - 全長: 25.9m
• - 全幅: 16.2m
• - 全高: 5.3m
• - エンジン: GE J47 ターボジェット 3基 (推力: 23kN)
• - 乗員: 2名
• - 武装:

- 固定武装: M24 20mm機関砲 8門 (装弾数: 1,280発)
- HVAR（高速航空ロケット弾）8基 または 最大4.7tの各種爆弾

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