XBT-17 (航空機)とは？意味をやさしく解説

ステアマン XBT-17：アメリカ陸軍航空軍が評価した基本練習機

ステアマン XBT-17は、ステアマン・エアクラフト社が開発した単葉複座の基礎練習機です。第二次世界大戦中の1942年、アメリカ陸軍航空軍（USAAF）は本機をXBT-17として評価試験を実施しました。

設計と開発

XBT-17の原型となるX-90は、片持ち式の低翼単葉機として設計されました。操縦士と教官は密閉式のキャノピー内でタンデム（前後）に着座する構造です。着陸装置は固定式の尾輪式を採用。初期型であるX-90は、ライカミングR-680エンジン（出力225馬力）を搭載し、1940年に初飛行を行いました。軽量化を目的として、主翼には木製の構造材、機体前部には鋼管が用いられています。

その後、より強力なプラット・アンド・ホイットニーR-985エンジン（出力450馬力）を搭載した改良型がX-91として開発されました。このX-91こそが、USAAFによってXBT-17の名称で評価試験を受けた機体です。しかし、量産には至らず、XBT-17は試作機のみで終わりました。

派生型

ステアマン社の設計には、主に以下の3つの派生型が存在します。

ステアマン X-90: ライカミングR-680エンジンを搭載した試作機。本機の開発がXBT-17の礎となっています。
ステアマン X-91: プラット・アンド・ホイットニーR-985エンジンを搭載した改良型。USAAFによる評価試験を受けた機体です。
* ステアマン XBT-17: X-91にUSAAFが付与した正式名称です。

性能諸元（XBT-17）

項目	数値	備考
---	---	------
乗員	2名	操縦士と教官
全長	8.46 m (27 ft 9 in)
翼幅	10.90 m (35 ft 9 in)
翼面積	19 m² (200 ft²)
空虚重量	1,397 kg (3,080 lb)
運用時重量	1,882 kg (4,150 lb)
エンジン	プラット・アンド・ホイットニー R-985-AN-1	ワスプ・ジュニア空冷星形エンジン
エンジン出力	450馬力 (340 kW)
最大速度	306 km/h (190 mph)
巡航速度	257 km/h (160 mph)
実用上昇限度	6,096 m (20,000 ft)
上昇率	6.6 m/s (1,300 ft/min)

まとめ

ステアマン XBT-17は、第二次世界大戦期におけるアメリカ合衆国の航空機開発の一端を示す貴重な機体です。その簡素ながらも堅牢な設計、そして性能は、当時の技術水準の高さを物語っています。量産には至らなかったものの、その後の航空機設計に影響を与えた可能性も十分に考えられます。本機に関する資料は限られていますが、残された情報から、その技術的な特徴や歴史的意義を詳細に分析することで、航空史の一片を垣間見ることができます。

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